« SF映画の金字塔 | トップページ | 校歌の効果 »

2008年4月 7日 (月)

アナログとデジタル

080406234211帰宅し、遅い夕食に春キャベツとアンチョビでパスタを作って一人で食べた。
思い立って久しぶりにレコードを聴いた。

R・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」(「ひでおのいきがい」ではない)
小沢征爾指揮のボストンの演奏

引っ越す前は時間の許す限りレコードからパソコンに録音し、デジタルデータとして保存していた。
レコードの音源を手軽に聴きたかったからだ。
ところが、1年ほど前、パソコンのハードディスクの故障とともにすべて消えてしまった。
それで一気にやる気のうせた僕はレコードを押入れの奥深く仕舞いこんでしまった。

だが、引っ越してちょっと事情が変わった。
壁一面に前後二重の可動棚をこしらえてもらい、レコードの管理がしやすくなった。
リビングに新しいスピーカーセットとアンプを購入した。
新しい針とカートリッジを買った。
3Fに置いたレコードプレイヤーからリビングのアンプに無線で音を飛ばす機械を手に入れた。

昔を語るような年ではないが、僕が子供のころはまだCDはなかった。
レコードをカセットテープに録音して聞くのが一般的だった。
いわゆる、アナログの時代。

そもそもデジタルとは数値化された情報のこと。
世に解き放たれた音はすべてアナログの状態なわけで、これをデジタル化するには「量子化」が必要になる。

量子化を例えてみると「ひとつの画を縦横に細かく切って記録する」ということだ。
その一つ一つの断片の情報をノートに書き写していく。
「元の場所」と「色」という情報として。

で、断片の絵を見てみる。
「画」というよりは単なる「色」である。
だから、色番号に置き換える。
あらかじめ色に対応した数字を決めておく。
たとえば「くろ=0、しろ=1」とか。
色が多ければ多いほど元の絵に近い状態で記録できる。
「ぐんじょう=16、エメラルドグリーン=23」とか。
もっと細かく「明るめの白みがかったピンク=2365、暗めに落ち着いた赤っぽい黄色=65438」とか。

元の絵を切るときの断片の大きさも問題になる。
たとえば一枚の写真を縦20横20の400個の断片に切ってみる。
100枚目の断片には人間のほっぺたの一部が写っている。
断片の右端は明るめの肌色で、左端は暗めの肌色。
でも、強引にひとつの色として記録しなければならない。
もっと断片が大きいと「髪の毛の一部とおでこの一部と眉毛の一部」をすべてひとつの色で記録しなければいけなくなるかもしれない。

こうしてアナログ情報を数値化することを「量子化」と呼ぶ。
この場合はAD変換(アナログ⇒デジタル変換)とも言う。

つぎに、ノートに記録した数値を、もう一度絵の状態に戻してみる。
「ノートに書いてあるとおりの場所」に「ノートに書いてある色」のカードを置いてみよう。
だいぶ簡略化(圧縮)されているので、元の絵に比べるとかなり「粗い」ものになる。

つまり、元の状態に近く記録するためには「出来るだけ多い色情報」と「出来るだけ細かく断片にする」ことが必要なのだ。
本来の情報には「マチエール」「筆致」などまだまだ様々な情報があるし、「匂い」「手触り」といった情報まであるかもしれない。

音楽の場合も様々な要素に細分し、分類し、数値化して記録する。
だから、その情報量が多いほど元の状態に近くなる。
サンプリング周波数(レート)、量子化ビット数などの表記がその細かさを表している。

しかし、まあ、どんなにがんばっても理論的にはアナログの連続的データには絶対にならない。
人間の耳(脳)でどこまで認識できるのかは分からないが、少なくともCDとレコードでははっきり違いが聴き取れる。
これほどまでに違うとは、ちょっと久しぶりに驚いた。

ヒスノイズ(レコード独特の雑音)すら味に感じる。
CDを初めて聞いたときにはその雑音のなさに驚いたが、音や音楽の奥深さでは圧倒的にレコードのほうが優れている。
ipodとかの携帯プレイヤーなんてもうそれ以下の以下。(まあ、便利だけど)

未だにレコードが廃れず、あまつさえ新譜すら発売され、近年では需要も高まりつつある理由を体感した。
もちろん、デジタル音楽業界も1ビットオーディオやSACD、DVD-audioなどの高音質規格が登場しているのでこれからは更に原音に近い音楽が手軽に聴けるようになるのかもしれない。

それにしても、「英雄の生涯」にはまったく触れてない。
まあ、感想はまた今度。

・・・
と、ここまで書いていて、気になってパソコンのレコーディングソフトを見てみた。
僕のパソコンはVAIOである。
なんと、その付属のレコーディングソフトでDSD(SACDの規格)形式の録音とDVDへの出力が出来るらしいのだ!
それもPS3で再生が出来るという。
SACDも再生できるというから、これは使わない手はないでしょう!!
さすがソニー、すごいぞソニー!

でも、英語版のPS3の解説読んだら、最近のファームアップでSACDの5.1chの出力は出来なくなった、との事。
改善するところは大きくニュースにするのに、こういう機能縮小のところはこっそりやる。
なんか、こういうところがソニーなんだよなぁ・・・

|

« SF映画の金字塔 | トップページ | 校歌の効果 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アナログとデジタル:

« SF映画の金字塔 | トップページ | 校歌の効果 »