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2008年7月17日 (木)

好き嫌い

最近、何を食べても美味しい。
グルメぶって美味しいものを食べあさったりもするが、病院食でも合宿所のご飯でも、それなりに美味しく楽しめる。

子供の頃の僕は結構好き嫌いが多かった。
ピーマンが嫌い、ニンジンが嫌い、という一般の好き嫌いとはちょっと違ったのかもしれないが。

牛乳もホウレンソウもニンジンも好き。
甘いのも辛いのも平気。
じゃあ、何が苦手か、というと、「食材の多い料理」「濃い味の料理」「複雑な味の料理」だった。

例えばけんちん汁とか豚汁。
食べようと思えば食べられなくもないが、食材ごとに食べないとだめ。
うな重やかつ丼、親子丼も苦手だった。
味が濃い…

お味噌汁も具が2種類以上だとちょっと嫌だった。
豆腐だけ、大根だけ、わかめだけ、ならOK。
混ぜご飯、五目御飯なんて見たくもない。

つまりは複数の食材の味が口の中で渾然一体となる、複雑さが理解できなかったのではないだろうか?
だから、シンプルな料理、冷ややっこ・海老フライ・スパゲッティミートソース・ざるそば・寿司・刺身などなど・・・

しかしある日ターニングポイントが来る。
いつだったかは忘れたが、その感覚ははっきり覚えている。
その日の食卓にはけんちん汁がのぼっていた。
例によって僕は手もつけない。
母が怒る。
食べなさいと。
いつもならそれでも食べないのだが、その日は自分でも何とかしたいと思ったのだろう。
とにかく口の中に、ええいままよとざくざくかき込んだ。

むしゃむしゃ食べた。
・・・ところが、わかる。
さまざまな味のハーモニーが、複雑でも理解できる。
これは楽しい。

もともと、寿司だってネタとシャリのハーモニーだし、味だって複雑だ。
冷ややっこだって醤油と豆腐のハーモニーだ。
ミートソースなんて実はすごく複雑な味なのにね。
複雑な味の喜びを知ったら、単純なハーモニーもより楽しく感じてきた。

今は何でも食べる。
何でもおいしく、楽しい。
美味しいものを食べると、踊りだしたくなる。
人前で踊りで自分を表現する術など持たないので、歩き回ったりする。

考えてみれば、僕をここまで音楽の道にのめり込ませた要因の一つが「ハーモニー」だった。
小学生の時にハモった感動は忘れない。
それから数十年、複雑な和音の喜びも知り、理解し、シンプルな和音への喜びももちろん倍増した。

それでもやっぱりチョコは板チョコが好きだし、おそばにも冷ややっこにも薬味はつけない。
そのままが美味しい。
それには、それ自体が本当に美味しくないとだめだけれど。

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