よく晴れた土曜日の午前中。
準備万端整えてBD-1でポタリングに出る。
自宅近くの遊歩道を北上し、左に折れてしばらく走ると急な坂を下る。
と、相模川に出る。
もう少し遡ると相模湖に出るが、ちょっと足に自信がなかったのでそこで川沿いに下ることにする。
セリカで幾度となく通った道だが、自転車では新鮮で、鮮烈だ。
やがて自動車道は川沿いをそれていく。
普段自動車ではなかなか走らない道を選んで走る。
ちょうちょが飛び、殿様バッタが跳ね、トカゲが走るのを久しぶりに見る。
ああ、この道は、子供の頃何度か挑戦して断念した冒険の道だ。
細い道は程なく行き止まりになった。
水路はここからトンネルに入るらしい。
誰が、いつ、どうやって掘ったのだろう?・・・探検してみたい。
そういえば、富士の忍野八海の小さな池は全部地下で繋がっており、山中湖とも繋がっているという。
潜って探検できたら、またはロボットにカメラを付けて遠隔操縦して探検させたら面白いだろうなぁ…と子供の頃よく想像して楽しんでいた。
その後、テレビ朝日の探検番組で実際にカメラマンが潜水して探検したが、事故で(迷って?)亡くなったという。
かなり昔だが、秩父の山道をドライブした時、「探検する人は自己責任で」と書かれた地底湖へ通ずる洞窟があった。
そこもいつか探検してみたい。
そんなことをつらつらと思いながらペダルをこいでいるとやがて相模川の川畔に出た。
そこからは整備された遊歩道兼サイクリングコースを下る。
そろそろ仕事の時間も迫ってきたので、川べりを後にして坂を上る。
登りきったところで“JR相模線”の線路を越える。
すぐそこに無人駅が見える。
なんだか過疎の村のローカル線駅のようだ。
否、正にローカル線、なのかな?
自宅まであと数キロ。
ここまで約1時間ほどの道のり。
かなりのアップダウンもあったがさほど苦にならない。
フォールディングバイク(折りたたみ自転車)と言えども侮れませんぞ、こいつは。
子供の頃の自分の行動範囲。
小学生になり、自転車に乗れるようになって飛躍的に広がったのを思い出す。
大学生になって移動の手段が電車中心になるまで、自転車こそが自分のダイバダッタ、いや、愛馬だった。
セリカと言う最強の愛馬を手に入れてからはその範囲は道路のある限り、無限になったといってもいい。
だが、再び自転車に乗った時、忘れかけていたものを幾つも幾つも思い出した。
やっぱり移動の中心はセリカで、これからもいろんなところに行くだろうが、BD-1もきっと連れて行く。
そして僕の寄り道癖は、一層エスカレートするのだ。