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2008年12月 9日 (火)

トイレ考

ちょっと下の話で恐縮だが・・・

ルイ王朝の頃のヨーロッパでは食欲、性欲とともに排泄欲も一つの快感だと考えられていたらしい。
娯楽の乏しい昔のエスキモーの人たちの暮らしの中でも、セックスと同じくらい得難い快感の一つだったという。

極寒の地では排泄行為ですら危険を伴う。
そこで、ギリギリまで我慢をしてから一気に短時間で排泄するテクニックを身につける。

まあ、そこまで大げさな話ではないんだけれど、子供の頃はよくギリギリまで我慢して間一髪トイレに駆け込むことも多かった。
別に快感を求めて、と言うわけではなかったと思うが…

子供の頃の鎌倉山の家はみんな和式・汲み取り式だった。
厠、化粧室、はばかり、御手洗い、いろいろ呼び方はあるが「お便所」が一番似合う場所だった。
そして、怖かった。
落ちる恐怖はなかったけれど、何かが下から出てきそうで…

日本では一般的に和式・洋式・男性用小便器がある。
ロシアに行った時に「女性用小便器」なるものもあることを知った。
さすがヨーロッパ、と思ったが日本にもあるのだという。
東京オリンピックの時に海外から来る女性選手用に設置したらしい。
目にすることはないと思うが。

人に聞いた話なので真偽のほどは定かではないが、中国のトイレは個室の仕切りがないところが多いらしい。
ただ便器(と言うか穴?)が並んでいるだけで、隣の人と話ができちゃう、というので「ニイハオトイレ」と呼ばれているとか。

ロシアで重宝したものの一つがトイレットペーパーだった。
高級ホテルやレストラン以外の公共トイレでは、用を足した後の紙を流すのはタブーだった。
溶ける紙ではないところが多いので使用後の紙は設置のバケツに捨てるのだ。
これは慣れていないと抵抗がある。
僕の滞在していたホテルにも溶ける紙はなく、かといって一月近くも過ごす部屋ではバスルームが臭うのも嫌だったので、日本から持っていったトイレットペーパーは大活躍だった。
あらかじめ知人からアドバイスをもらっていたのでロールで三本も持っていった。
帰国の際には仲良くなったフロアアテンドの女性にあげたら、とても喜ばれた。

元宮殿(パレス)だったホールのトイレではちょっと肝を冷やした。
個室に入って腰をかけて、ふと横を見ると壁に小さな赤い玉がある。
ビー玉よりちょっと大きいくらい。
なんとなく、ほとんど無意識にそれを引っ張ってしまった。
その球には紐が付いており、軽ーく引っ張っただけなのに、数秒後大音響とともに水が流れた。
「これはきっと昔の水洗システムなんだろうなぁ」
と思いつつ用を済ませてもう一度赤い玉を引っ張ろうとしたが、球は紐の先にブラン、とぶら下がっている。
引っ張ってもそれ以上は引っ張れない。
僕の出番の時間は刻々と迫る。
あたりを見回したが他に操作できそうなものはない。
仕組みがわからずもう一度赤い玉を引っ張ったらなんだか少し動く。
意を決して強く引っ張ると妙な手ごたえ。
急に抵抗がなくなってするすると紐は抜け落ち…
…少し考え、後ろめたい気持ちのままその場を立ち去った。
数日後その場を訪れて謝罪しようとしたが、誰にどこで話せばいいのかもわからず、結局何もできなかったが、赤い玉がきちんと壁に戻っているのは確認した。

修道院近くの墓地に行ったときに入ったトイレではもっと驚いた。
この墓地にはチャイコフスキ、リムスキー・コルサコフ、ムソルグスキーと言った錚々たるメンバーが眠っている。
人気もなく、寒々しい墓地を歩いていたら便意に襲われた。
手持ちのティッシュもなく、こんなところのトイレに入るのはちょっと勇気が必要だったが、背に腹は代えられない。
薄暗いトイレに入ると大きな扉が一つ。
男女の区別はないようだ。
人気もないので躊躇なく一気に扉を開くと…
「△□×○!!(たぶんロシア語の悲鳴)」
!!!
びっくりした!
女性がこちらに向かって便器に座っている。
どうやら個室に扉のないタイプのトイレらしい。
飛び出してしげしげと見まわしたが、やはり男女の区別はなく、鍵もかかっておらず僕には非はないと思われ…
仕方なく建物の外でもじもじしながら女性が出ていくのを待つ。
やがて女性があらわれ、気まずそうにするかと思ったら意外にも笑顔で、一言二言何かを言ってティッシュをくれた。

… … … … …

ついつい長くなってしまったトイレの話。
どんな清楚なお姫様でも、かっこいい色男でも必ず毎日行くところだから、エピソードは尽きません。
この辺にしておきましょうね。

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