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2009年2月18日 (水)

The Inn of the "Sixth Happiness"

D112006483 映画 「旅宿“六番目の幸福”」を観た。

かなり昔にVHSで観たはずだがあまり良い印象がない。
そこで、今回もう一度きちんと観てみたが、いや、なかなかに面白い。

信仰心に篤い英国人女性が布教のために訪れた中国の奥地でその美しさに心打たれ人々と平和のために奔走する、実話をもとにした小説が原作。

富、長寿、健康、徳、安らかな死を「五つの幸福」として尊ぶ中国の古い習わし。
先任の宣教師の老婦人は「六番目の幸福」という宿を営みつつ布教をおこなっている。
夫人は聞く。
「あなたにとっての六番目の幸福とは何か?」、と。
その夫人の死後をグラディス(イングリッド・バーグマン)が引き継ぐ。
はじめ人々から毛嫌いされているが、献身的な行動とその聡明さで信頼と友情を勝ち得、人々からは“ジェナイ”と呼ばれ親しまれるようになる。
やがて日本軍の侵略がはじまり、自らが育てている身寄りのない100人の子供たちと村からの脱出を始める…

1958年の映画である。
映画の中で村を侵略する日本人はあまりステレオタイプされずに描かれている。
描写自体は柔らかい表現になっているが、侵略者であることに変わりはない。
もう少しその卑劣な侵略をはっきり描いてもいいのに…とも思う。

イングリッド・バーグマンは「ガス燈」「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」「追想」…等々、は出演映画どれも高い評価を得ている大女優。
知らない人はいない…と思ったら、案外今の若い人は知らない人もいるらしい。
そんなの「美空ひばり」を知らないのにも等しい!
と言いたいところだが、「美空ひばり」も知らない人がいるのだから、時代は移りゆく、ということか…

この映画はそれほど高い評価ではなかったのかもしれないが、それでもイングリッドは美しく、素晴らしい。
少々都合がいいようにストーリーは続くが、感情移入して観れば製作者たちの意図や狙いも読み取れよう。
古い映画だし、想像力をもってストーリーを読み解く作業はその実、意外に楽しい。
かなり過酷な撮影に思えるがイングリッドの演技は自然で賢明で誠実に見える。
ストイックな作りがかえって抒情を投げかけてくる。
特殊効果のない映像は新鮮ですらある。

というように、いろいろいいようにとって観る方が2時間半にも及ぶ大作を楽しめるのでは?と思ったりして。
いや、僕は本当にいい映画だと思いますよ。

音楽はマルコム・アーノルド。
「戦場に架ける橋」に並ぶ彼の映画音楽の代表作。

旅の果てにグラディスは「六番目の幸福」を見つけるのだが、それはいったい何なのだろう…

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