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2009年5月28日 (木)

モーリス・ジャール

去る3月の29日、作曲家のモーリス・ジャールさんが亡くなった。
この訃報、全然知らないでいた。
偶然、映画関係の本を読んでいて今日知った。

言わずと知れた「アラビアのロレンス」の音楽の作曲者。
彼の初アカデミー賞受賞作品となり、その後も何度もノミネートされ、3回は大賞を受賞している。
だが、僕の観たことのある映画の音楽をいくつも作曲しているが、彼の名前を意識したことはほとんどない。

「ゴースト/ニューヨークの幻」「ブリキの太鼓」「いまを生きる」「ファイヤーフォックス」「マッドマックス」、等々。
日本映画にも参加しているのを知って驚いた。
「首都消失」は今でも覚えている。

残念ながら、そのどれも、音楽の印象がない。
きっと映画を観れば「ああ、そうだ」と思い出すに違いないのだが。
だが、「アラビアのロレンス」だけは違う。
強烈に思い出深い曲なのだ。

ある日ラジカセでラジオをタイマーで録音した。
何を録りたかったのか覚えていないのだが、録音したテープには予想外の音楽がたくさん録音されていた。
まだ子供だった僕にはそのどれもが鮮烈で新鮮で、刺激的で美しかった。
入っていたのはおそらく、ラテン音楽とジャズと映画音楽。
何のテーマでそれらが綴られていたのかも今となっては定かではない。
その中でも、特に心をつかんだのが「黒いオルフェ」「黄昏のプエルトリコ」、その他海にまつわるラテン音楽、
そして「アラビアのロレンス」

支離滅裂だが、仕方ない。
詩的なナレーションがつないでいるだけで、曲名も何も分からない。
とにかく、繰り返し聴いていた。

強烈な太鼓で始まり、突然の静けさ。
今ならそれが「変拍子」だとわかるが、当時は割り切れないフレーズが不思議だった。
そして雄大なメロディをオーケストラが奏でる。
…とりこになってしまった。

野球部だった僕だから、楽譜の書き方なんかよくわからない。
でも、何の情報もないから、とにかくこの曲を楽譜に起こすことにした。
何とかメロディだけでも。
そうやってメロディを口ずさんでいたら、母が「懐かしい曲ね」といい、そこで初めてこの曲の素性を知る。
その後、ビデオを借りて映画を見るまでにはまだ数年の間を必要とするのだけれど。

高校生の時、ひょんなことでこの曲を演奏することになった。
だが、楽譜は当時の僕の記憶と違うアレンジになっている。
気に食わない。
そこで、記憶だけを頼りに譜面を書いた。
その後録音のテープを発見して聴いてみたら、記憶とほとんど違わなかった。
我ながら驚いたのを覚えている。

この曲は間違いなく、今の僕を作っている要素の一つだ。
僕の憧れる巨星がまた一つ墜ちたけれど、生み出したものの価値は色あせない。
素晴らしい音楽をどうもありがとう、先輩。

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