シラーに寄す
日本では年末になるとやけに第九を耳にする。
第九とは、言わずもがなベートーヴェンの交響曲第九番のこと。
その4楽章に使われているのはドイツの詩人シラーのもの。
ベートーヴェンは早くからこの詩を目にして、意識していた。
シラーと同時期のドイツ文学界(文学会だけに留まらないが…)にはもう一人、ゲーテという巨人がいる。
もちろん、ベートーヴェンも強い影響を受け、作品の中にもさまざまな形で登場する。
「エグモント」もその一つであり、「若きウェルテルの悩み」も「ファウスト」もその影響を見てとれる。
ところで、最近気になる歌手(グループ)の一人、エレファント・カシマシの宮本浩次さん。
僕とはほぼ同い年。
以前から気にはなっていたのにそれほどじっくり聴いたことはなく…
最近日比谷野音でのステージとインタビュー番組を見る機会があり、
その音楽への姿勢とかライブと同じテンションで行うリハーサルやレコーディングに、いくつも共通の熱い感性を感じた。
クラシックとロックとの活動の違いこそあれ、僕もバンドのヴォーカルを続けていたらあんなミュージシャンになったのかもしれない。
その宮本さんがここ数年読みまくっているのがゲーテだという。
昔読んだ時に、200年も前の作品にも関わらず激しく心揺さぶられたのを思い出し、また読んでみようと思う。
はたして、今の僕はどう読むのだろう…?
シラーの書いた一節にずっと心に残っているものがある。
時の流れは三重である
未来は躊躇いつつ近づき
現在は矢のように素早く飛び去り
過去は永遠に、静かに立っている
どうとらえるかはその人の自由。
その時々によっても違う印象に読めたりする。
未来を待ちわびるわくわくをそこに、
いつも読み取りたいと、
いつも思う。
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コメント
ワインのお話かと思っちゃった

投稿: Anton | 2009年11月 9日 (月) 22時43分
じゃあ、シラー飲みに行く?
投稿: YOU | 2009年11月10日 (火) 19時37分