新幹線で神戸に向かいました。
今は2時間半で到着します。
速いなぁ…
駅弁を食べるのは僕の外せない楽しみの一つ。
コーヒーを飲み今日明日の撮影の台本と楽譜をチェック。
ひと段落して外を見ると真っ白な雪をかぶった富士山が青い空をバックに見事な姿。
「写真に収めたい!」と思って携帯を取り出してカメラのスイッチを入れると、あっちでもこっちでもシャッターの音が。
天邪鬼の僕としては撮る気が萎えちゃって隣の椅子に携帯をぽいっと投げちゃいました。
これがまずかった。
コートを着て台本や楽譜をかばんに詰め込み、頭は今日のことでいっぱい。
オケのこと、段取りのこと、コミュニケーションのこと、ステージのこと、エトセトラ…
新幹線の中に忘れ物、は時々やってしまうのですが、携帯電話は初めて。
車内の忘れ物第1位も“傘”を抜いて携帯電話が断トツだそうです。
気が付いたのは撮影用の指揮の練習が終わり、プロデューサーや佐々木さんたちと食事に行こう、というタイミング。
「携帯が手元にないと不安になる」という人が多いようですが、僕は平気なタイプ。
まあいいや、忘れた場所もはっきりしてるし。
音楽制作のプロデューサーさんがいつの間にか携帯の捜索と郵送の段取りも付けてくれました。
36階から見る神戸の夜景は素晴らしかったし、食事もとても楽しかったので写真の一つも撮りたかったのですが、残念。
翌日の撮影本番も、玉木君や加藤愛さんと話している時も。
でも、携帯がないのでかえってあきらめがついてよかったのかも。
「鹿男あをによし」でも蔵之介さんと玉木君は共演しているので親しげでした。
あのドラマ好きだったなぁ。
佐橋さんの音楽も良かったし。
それにしても今回も素敵な出会いがたくさんありました。
佐々木さんや玉木さんはもちろんのこと、オケのみなさんやプロデューサーのみなさん、作曲の沢田さん、スタッフのみんな。
特に藤田監督からはいろいろ盗ませていただきました。
オーケストラからはかなりの実力を感じました。
実は本番では演奏しても音は採りません。
現代的手法の曲もあり演奏は難しいのですが、そのまま録音して使いたいぐらいのクオリティだったのです。
みんなとブラームスやチャイコフスキーやルトスワウスキを演奏してみたいなぁ。
ほとんど休憩もなく撮影は進み、僕の出番(?)は終了。
ホテルはもう1泊取ってあったようですが十分帰れる時間なのでアシスタントPの方とともに帰路につきました。
無事に終わった安心感と解放感で二人でビールを飲みましたが、何か忘れ物をしているような気がしていました。
きっとドラマの完成を見ずに現場を離れてしまう寂しさなんだろうなぁ、と思いつつ空いた列車に乗り込んだのでした。