春の匂い
お昼ちょっと前、玄関を出ると春の匂い。
まだ2月も上旬だと言うのに…
春の生暖かさは、出会いの季節のワクワクと、別れの寂しさを一緒に連れてきます。
それと、ほんのちょっぴり胸の奥がチリリとする「焦り」に似た感情。
僕は楽しみは我慢をしてからのほうがより喜びを大きく感じます。
食べ物で言えばショートケーキのイチゴは最後まで取っておくタイプ。
美味しいビールの為に日中の水分を控えるタイプ。
だから、冬は厳しく長いほうが良い、と思っているのかもしれません。
または、
まだ今年は訪れていない冬の雪山。
早くしないと季節が変わる、という焦りがこんな想いにさせるのかもしれません。
「学校」という季節のスケジュールがはっきりしている生活を終えて社会に出てからは、より一層季節を肌と心で感じる生き方になりました。
考えてみると、就学前の子供の頃と近い感性なのかもしれません。
これは音楽家になってよかった、と思うことの一つです。
一年の中でこんな気持ちを伴うのは僕の場合「春の直前」のみ。
「秋の枯葉散る鎌倉の路」や「冬将軍を待つばかりの風に震える裸樹」は「淋しさ」や「侘しさ」はあってもまた違った風流。
「逝く夏の季節」も似ているようでやっぱり違う。
ワクワクと寂しさが共存するなんて不思議な感覚。
まるで「辛味」と「甘味」が共存するような(…違いますね)
「今いる場所はお前の本当の居場所なのかい?」
そんな風に問いかけられているようで、そわそわするのです。
無理やり前向きにならなければいけない気がして、なんだか春が来てほしくないような…
そうは言っても、春もやっぱり好きな季節。
始まってしまえばまっしぐらに走る自分が想像できる。
でも、潔くポジティブな自分になるためには、もう少し待ってほしい。
高くジャンプするには、一度はしゃがまなければならない。
そんなこんなで、
もう少し冬が続いてほしい、なんて思っているのかもしれません。
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コメント
雪山…
今年もう6~7回行きました!!笑
大丈夫!!
シーズンは5月までですよ!!(今年もきっとGWに奥只見…)
冬生まれなのに、親に春生まれらしい名前つけてもらって、
私としては複雑な思いもありますけど^^;
でも冬なのに春のにおいがちょっとする、
中途半端なこの時期が一番好きかもしれないなぁ…
投稿: ぴ | 2011年2月15日 (火) 10時40分