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2014年11月30日 (日)

自分の中の音楽

自分の弾くピアノの音が聴こえなくなった主人公。
それはある物語に登場するピアニスト。
彼は自分の中に自分の音を見つけていく…

最近、深夜にそーっとピアノを弾く。
ちいさく弾く分、丁寧に、大切に、音を並べる。
制約があるからか、演奏が拙い所為か、自分の中にやりたい音楽が溢れかえる。

数年前、音が聞こえなくなった時に、まず救われたのは友人の言葉だった。
不謹慎だが…死にたいと思った。
だが友人の言葉で僕は絶望の底なし沼から這い出ることが出来た。
決して大げさな表現ではない。

そして、まだ癒えぬ病と闘いながら自分を支えたのは、紛れもなく自分の中の「音楽」だった。
不安と恐怖の中眠れぬ僕は医者から処方された「眠る薬」を用法以上に一気に飲んだ。
あれは怖い薬だと思う。
手足を縛って、無理やり深い海の底に引きずり込まれるような感覚だった(用法を守らなかったやつが悪いのは言うまでもない)

意識を失う寸前、いやもう夢うつつだったのかもしれないが、音楽が聴こえた。
無論、実際の音ではなく心の中に。
チャイコやストラヴィンスキーや、ポップスもクラシックも、それこそ走馬灯のように次から次へと。
これは記憶の中の音なのか?このシンフォニーはベルリンフィル?指揮者はカラヤン?

いや、これは自分の理想の「音楽」
自分のやりたい「音楽」
俺の中には自分のやりたい音楽が溢れている!
それはまるで暗闇に灯るちいさな光のようで、
「ああ、そうか」
と思ったところまで覚えているが、次に目覚めたのは20時間近く経ってからだった。

病院のベッドで天井を見上げながらもう一度
「ああ、そうか」
と思って、声を殺して泣いた。

完治して、以前よりも音に対する愛情が増したのは以前も書いたが、
冒頭に書いた物語に接して今再び思う。

自分にはやりたい音楽がある。
今すぐにそれが出来なくとも、それでものたうち回って音楽と向き合おう。
苦しい気持ちと向き合わなければならない。
でも、それはきっととっても幸せなこと…

そんなことを思いながら、今日も深夜にショパンを弾いている。

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コメント

そう言えば、
辛いときや哀しいとき、
ピアノを即興で延々と、弾くことがある。
その時の音楽がそれに近いかな…
いやいや、煩悩未だ消えることなく…

投稿: YOU | 2015年1月27日 (火) 00時05分

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