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2014年11月 4日 (火)

青い画用紙

青い画用紙に一本の白い線。

今年の夏、真っ青な真夏の空にくっきり白い線を描く飛行機雲を見た。
クレヨンで描いたように、白い線の輪郭はちょっと柔らかく、でも定規で引いたようにどこまでもまっすぐで。
夏の昼間の暑さがまだ始まる前の朝の空気を浅く吸って、思いもかけず木々の匂いを感じて続いて深く吸った。
そこは生まれた場所でもなかったのに、なぜだか泣きたくなるほど懐かしくて、手足がすくむように立ち止まってる自分が、空の高みから見下ろしたように小さく見えた。

嘆くことはいくつもあるけれど、でも、やっぱり、自分を信じたい。
目の前のことをただこなしていると、だんだん視界が狭くなる。
夢は遠くに輝いているのに、目線が下がっていると近くの悲しみにばかりとらわれる。

朝の湿り気のある空気がだんだん乾いて、明るさを増してきた陽の光が、木の葉の影を肩のあたりに落としている。
圧力すら感じる光のエネルギーが、揺れる葉の陰に合わせて、僕の肩を押しているようだった。
陽の光に励まされるように歩き出して、また一日が始まった。

今日屋上から空を見たら、その夏の朝のことがありありと思いだされてなんだか涙が出たのです。
本当に他愛のない、どこにでもある日常なのに。
深まる秋の空は夏の青さにはほど遠く、
でもそこに引かれた一本の白い線は、
やっぱりどこまでもまっすぐなのでした。

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