音楽とは、表現とは…
昨年は幸せな一年でした。
悩みも苦しみもしたけれど、蒔いた種は、きっと素敵な花を咲かせることでしょう。
今年もよろしくお願いします。
まだ始まって間もない今年ながら、すでにたくさんのステキな演奏に出会いました。
その中で、先日はあるアンサンブルの審査員(?)的なことを少々。
僕はこの「審査員」とやらが好きではありません。
やっぱり、演奏してナンボですもの。
でも、点数をつけることを除けば、たくさんの演奏団体を聴くのは全然苦ではありません。
小編成の中学生の演奏を一日に40団体聴いたって、本当に、楽しい。
それはもちろん、素敵な音楽たちに出会えるから。
先日聴いたのは大人たちの演奏。
本当にさまざまな編成。
一日中聴いて思うのは、やっぱりどんな大編成のオーケストラも基本は一人一人のアンサンブルからなんだなぁ…という当たり前のこと。
この数年の僕は、
「音楽の表現とは何ですか?」
と問われれば僕は即座に、
「意思です」
と答えています。
おと(音)と言う字を、こころ(心)にのせれば、伝えるべき「意思」になります。
「こうしたい」という強い思いを音に乗せて初めて、音楽は生まれる。
理屈や他の様々な内容物は、その上に正しく創り上げていけばよいのです。
そう思うのです。
そう思っているのです。
が…
ある最低人数のアンサンブルの演奏に心を奪われました。
強く主張するわけではなく、抑揚や昂揚もほとんどなく、ただ音楽は流れました。
風は往く先を告げず、花は咲く意味を語らない。
でも、確かに何かを運び、心をとらえる。
目に見えない光は風景を心に写し取り、香りは想い出を呼び覚ます。
なんだか、旅人になったような心地でした。
有名な景勝地や、高名な建造物も素晴らしいんだけれど、その脇の小径の、その傍らに咲くしろつめ草の真っ白な色が心に焼き付いたような、そんな演奏でした。
そもそも、和楽器による演奏にはそういった側面も、楽しみ方もあると思うし、もちろん西洋の音楽にもこういう表現はあります。
しかし、今の自分にこう言った演奏ができるかと言えば…
…絶対に無理です。
少なくともあと20年は必要。
達観?悟り?無心?色即是空、空即是色?
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