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2015年4月10日 (金)

拝啓、クロード・アシル様

はじめ、海に心奪われたのは子供の頃。
夜を想い、田舎の道を通って、パンの笛を聴いた。
ペレアスもメリザンドもまだ知らず、シリンクスは夢の中で聴いた。

やがて、アラベスクに彩られた雨の庭には、夢と喜びが、花火のように、レントよりもゆっくりと、色づく夕暮れの光の中、月の光は亜麻色の髪をオンディーヌへと手渡す。

マラルメもボードレールも、
しかし、紫のパリもエリックの肖像も、
既に憧れの中に横たわっていた。

どれだけ焦がれただろう。
とどかない響きはつねに新鮮で、ピアノのために、象も博士も人形も雪のように踊るのだ。

40年近くも前からの恋は、赤々と燃える火のように、今も続いている。
約100年前の1918年3月25日。
その日は近づいているわけだが、霧の中の小舟のように、手に取ることのできなかったあの響きが、いま少しずつ僕の口からもこぼれ始めている。
それは、恐ろしいことですらあるのだ。

エピグラフに名を刻む前に…

語りたい言葉がある。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

すごい!
ドビュッシーの曲が40曲も。
少なくともドビュッシーへの愛は伝わりました

投稿: なお | 2015年4月10日 (金) 12時25分

すごい!
ドビュッシーの曲が40曲も入ってますね。
少なくともドビュッシーへの『愛』はよく伝わりましたよ

投稿: なお | 2015年4月10日 (金) 12時28分

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