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2015年7月

2015年7月27日 (月)

秘儀Ⅲ~演奏②

ところで…
秘儀Ⅲは「ひぎスリー」と読むのだと思っていました。
と言うのも、もう時効だとは思いますが、去年西村先生とお酒をご一緒したときにそう聞いた…気がしていたのですがどうやら逆に理解していたようで…(^_^;)

「ひぎ、さん」でした(^_^)
しらふで聞いたので間違いありません。

さて、後半「M」から。

前半ラスト「K」~「L」~「M」のクライマックス。
accel.の開始を付点二分音符=63、「M」冒頭を=80ぐらいに設定するとすると、この部分は19小節あるので、1小節につきメトロノーム数値で"1"も変わらない計算。
だから、ゆっくりゆっくり速くなればいいのです(ヘンな日本語?)
ただし、忘れてはいけないのが「速くする」のではなく「速くなる」ように聴く人に伝えること。
わざとらしく、オーダーに対応してテンポを速くする、のではなく、恍惚としていく音楽の(踊りの)高揚で気が付くと速度も上がっていく…というのを”演出”するわけです。

「M」の冒頭は打楽器の「f」の一発。
テンポを戻すのは主にTimp.の役目。
もちろん指揮者も振りますが、重要なのは3小節目までにテンポを安定させ、3小節目を正確にアンサンブルさせること。

前半「E」で登場したモチーフが再び登場です。詳しくは秘儀Ⅲ~その⑥
Tuba以外の中低音の楽器たちが奏でるメロディ。
僕は特にTrb.のポルタメントをゆっくり、書いてある音符は通過点ぐらいに意識して、だまって聴いているとなんだかめまいを起こすように。
その中でTubaだけは単独の音型をはっきり聞かすように演奏します。

「N」のあたま、その中低音群は「f」のはずなのですが、1小節前に「f」に到達するパートもあり、少し茫洋とした雰囲気に感じます。
すると、「pp」で入ってくるパートがはっきり聴こえてしまって、和音の交換が面白味を減じてしまうので、僕は少し大きめに「N」の「f」を演奏し、「pp」は本当に小さく演奏してもらっています。

「N」からのメロディはあまりスラーの単位を強調せずに、音価ギリギリまでのばす、前半「A」の演奏に戻します。
どんなに注意深く演奏してもスラーの頭にアクセントがついて聴こえてしまいます。
その場合、大体において息のスピードや圧力が抜けていることが多いと思います。
四分音符の3小節間を一つのスラーで練習し、それからごく軽くタンギングを加えるとうまく理解してもらえるかもしれません。

ここで重要なのは、空白の1小節間。
音はしっかり時間通りのばせたのに切るときに音楽の流れを見失った人、最後の1小節(「N」の7)を急いでしまって音楽の流れから外れてしまった人、最後の1拍が長すぎ(短すぎ)て流れから外れたのに気が付かない人、打楽器の音を聴きながら漫然と休んでいる人、等々…
次の音の出だしが精度が低くなりがちなのです。
これは「O」「P」に限ったことではなく、他の部分もそうなのですが。
特に後半のこの部分、「R」「Xの6」などは致命的にずれることがあるので要注意。

「P」も同じく何とかして不用意な拍頭のアクセントを消します。
ほとんどスラーでもいいくらいです。
そうすれば、無理にタンギングや吹込みをせずとも4小節目のアクセントは効果的に聴こえます。

「N」~「R」は基本的にTrp.とおなじ音調(たとえば「P」の頭の音がC音のパート)がメインメロディです。
なので、「P」からの低音モチーフはメロディラインと全く同じなのです。

「P」「Q」のTrb.と打楽器の音量変化は、僕の場合は統一しています。
打楽器内の揺らぎについていろいろ試してみましたが、良好な結果は得られず…
p - mp - mf - f - f+ 、 p - mp - mf - f - f+
としています。

「R」の1小節前、Siz.Cym.効果的にdim.するのは大変です。
でも、一生懸命消しましょう。

言うまでもないのですが…
「P」「Q」「R」の前の八分音符、正確に、しっかりセパレートして聴かせたいですね。
そして2拍目のアクセント=踊りのアクセントをきちんと。

「R」からは「V」まで長い高揚の坂を上っていきます。
実に41小節あります。
一様に上昇していくかどうかは好みによりますが、この長い抑揚を効果的に演奏できるか否かで後半・第4セクションの、ひいては曲全体の印象を左右するといっても過言ではないでしょう。

「R」の音量は抑えたい所です。
4小節目で大きくなりすぎるとせっかくのA.Sax.2とTrp.2の変化が聴こえてきません。
段階的音量の変化をするパートは、くっきりその変化を印象付けたいものです。
もちろんアクセントはきっちりつけつつも。

「S」の前の打楽器のdim.はかなり変化させないと効果なし。
特にCymb.各種とB.D.(「T」の前も同様)

「S」からの二重螺旋形、8つの声部間のバランスをきっちり取るかどうかも指揮者と奏者の好み。
あまり厳密にとる必要はないと僕は考えます。
Pic.なんて単独だし。
ただ、各声部の音型はきっちり整合させたい、と考えます。
八分音符三つの短い音型が、丁寧に正確に演奏できればそれだけでこの部分は面白く聴こえてきます。
入りが遅れる、頭の音が鳴らずに結果cresc.になってしまう、最後の音が早い、等々が個々によく見られる現象。
Cla.やTrp.が特にこの傾向がみられる。
全体としては音量変化の幅が前半に大きすぎる、というのが見られます。

「U」からは再びstacc.のない八分音符を僕は意識します。そして4小節ごとの変化、つまりメロディラインの面白さを聴かすようにしています。
丁寧に正確に演奏する、ということに尽きるのですが…

最後の1小節、「V」の1小節前は、はっきりTimp.にテンポを与えます。
つまりこの小節は次のテンポで振ることになります。
オーケストラはそのままのテンポで演奏しますから、厳密にいえばちょっとだけ間が空くことになります。
しかし、今のところこの方法がベストだと僕は考えます。
テンポをほとんど落とさない場合はあまり必要ありませんが、僕は結構落とします。
Timp.奏者に落ち着いて次のテンポを作ってもらうためにも、このプレパレーションは必要です。

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2015年7月25日 (土)

左腕のアザは。。。

左腕に青いのやら黒いのやら黄色いのやら、怪しげなアザができてしまいました。
 
若い看護師さんがルートをとろうとしていっぱいチャレンジした結果です。
退院後日増しに濃くなっていき、昨日ぐらいでようやくピークを越えたようで腫れも色も引いてきました。
 
10年以上前に、こんなことがありました。
 
臨床検査技師の女性があるオケでトロンボーンを吹いていました。
彼女は僕の教え子。
健康診断を受けていない僕のことを心配して、
「友さん、会社で血液検査してあげますよ」
と。

 
練習後、採血しようとしたら練習場所の時間切れ。
仕方ないので車内で。
駐車場から近所の小学校脇まで移動させ、暗がりの車内で。
 
コンコン、窓を叩く音に振り返るとそこには制服の警官が。
 
「何してるんですか?」
 
「いや、これは、違うんです!」
 
しどろもどろの言い訳はかえって怪しかったようですが、きちんと説明してもちろん無罪放免。
確かに、怪しいですね。。。

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2015年7月24日 (金)

小麦の味

入院中の粗食のせいで、最近何を食べても旨い。
 
やっぱり薄味の方が好きだし。
 
昨日久しぶりに某宅配ピザを頼む機会があり、
「こんなの食べちゃったらきっと美味しすぎて涙が出ちゃうかも...」
なんて思っていたが...
 
いや、まあ、美味しいんだけど、
想像通りというか、なんというか、
つまらない。
 
美味しいことは美味しい。
でも、全然面白くない。
まるで、コンピューターの音楽か、あとで一杯手を加えた別録音の作品のようで。
 
そう、意思のない、意志のない、ただの「モノ」
 
小麦粉の味がする、
作り手の見える、
ピザが食べたい。

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鉄の翼

今日は新幹線にて北へ向かう。
福島に入ると最近いつも思い浮かべる人がいる。
お会いしたことはないが、昔から名前はよく知っている。
その人は、「森村大」
漫画家さんである。
 
人は馬に乗るようになって、その行動範囲と情報のスピードは格段と早くなったに違いない。
僕も子供の頃、自転車に乗れるようになってからの行動範囲の広がりは、それはもう2倍や3倍なんてものではなく、もっと立体的でカラフルに見えた。
 
次の衝撃的な世界の扉は「バイク」によって開かれた。
当時の高校生は、みんな(?)バイクに憧れた。
僕も原付免許を取り、すぐに中免(400ccまでのバイク免許)も手に入れた。
 
バイクに乗っているのを親は知っていたのだろうか?
たぶん知っていてなにも言わなかったのだろう。
もちろんバイクを買う金などなく、もっぱら友人や先輩に借りていたのだが。
 
バイクに乗るのは、まるで翼を手にいれたように、僕を海に、山に、森に、運んでくれた。
飛ぶように、自分の意思で、行きたいところに行く。
いつでも。
 
昔は、自分の馬を手にいれてやっと一人前と認められた、なんて話をよく耳にする。
遊牧の人たちや、ミドルアジアの人々の暮らしを垣間見ると、すごく憧れる。
きっと、あの地平線まで行けるような気がしたに違いない。

高校2年生になったばかりのある日、僕は事故った。
大ケガをして親にばれて、免許は高校の体育教官に取り上げられた。
バイクに乗れなくなるのは寂しかったが、事故の恐怖もあったし、何より親に心配をかけたのが心苦しかったわけで。
とりあえずはしばらくバイクから離れることにした。
 
僕は車も大好きだ。
いわゆるスポーツカー、それも4WDのターボのクーペを乗り続けたい、と思っている。
だがやはりバイクの感動とはまた違う楽しみ方なのだ。
 
「人生は旅であり、旅の目的は目的地に着くことではなく、旅そのものにある」と祖母は教えてくれた。
僕が思うに、バイクは乗ることがすでに目的なのだ。
馬は道具ではなく家族であり友人であったのと同じように、バイクもまた心も寿命もある友達であり恋人なのだ。
 
「森村大」さんの描くバイクと人を見ているとそれがひしひしと伝わってくる。
その人は都会を捨て福島は白河の山のなかで(ほぼ)自給自足しているという。
 
会いに行ってみたいな。
2輪か4輪の、
鉄の翼を駆って。

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2015年7月21日 (火)

事件

なんだか悪いことは連鎖するようで...
 
ご心配お掛けしましたが、とりあえず退院しました。
と言っても、もう一度入院して再手術を言い渡されています。
でもまぁ、とりあえず仕事には穴を開けずに復帰できそうです。
 
退院した足で指揮を振って(いや、指揮棒は手で振ったけど)、久しぶりにPCの電源をいれると・・・
立ち上がらず・・・
 
まあ端的に言えば、ハードディスクの故障により再起不能。
 
新しい3.5インチSATAのハードディスクを買ってきて、換装のうえOSをクリーンインストールすれば良いのですが...
でもそれではDATAが全滅...
あのメールもあの写真もあの楽譜も...嗚呼...
 
そこでハードディスクの復旧を自力でやってみることにします。
 
手順は、
①ジャンク品でも良いので基盤の生きている同型のHDを手に入れる。
②それぞれのHD特有のメモリーを半田を使って移植する。
③他のPCに外部で繋ぐインターフェースを買って内部データをサルベージする。
④新品のHDにバイナリコピー(丸写し)する機械を買って移植する。
⑤新品HDを使って、何事もなかったようにPCは稼働する。
 
果たして素人の知識でできるのか?
そしてそんな時間を作れるのか?
何よりも、根性が続くのか...?
 
新しいPCを買う気はありません。
だって、27インチ以上で、横2500以上の解像度で、タッチパネルのモニター。
もうたぶん手に入らないのです...

嗚呼...

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太陽が沈むと月が昇る...

というのはもちろん間違い。
地球は太陽の周りを回り、日の昇降は地球の自転によるもの。
月は地球の衛星で、見かけの動きでも太陽とぴったりリンクしているわけでもないのであって。
だから月は昼間だって空にいることもあるんです。
見えないだけで。
 
もちろん、数多の星々もそう。
見えないだけで、実はいつも個性豊かに輝いている。
   
今日は吹奏楽連盟で課題曲の打ち合わせ。
なんだかとっても楽しかった。
いろんな話ができて。

自宅に向かって車を走らせる。
急ぐ心もなく空を見ると、そこは美しい夏の夕暮れ。
久しぶりに見た夏の夕暮れは、寂しさなど微塵もないなんだかドキドキするグラデーション。
何て綺麗で、染みるんだろう。
 
日没の前から目の前には細い月。
いつから見えていたんだろう。
きっとそこにいたんだろうに。
 
そんな風に誰か僕を見つけてくれるだろうか。
 
気がつくと、眠るような細い月のそばに一番星が。
瞬く間に星が増えていく。
 
そう、すべての人はきっと輝いていて、僕もその中の一人。
 
今日の夕焼けを、
ずっと忘れずにいたい。

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2015年7月19日 (日)

冥王星

1930年にアメリカの天文学者トンボーが発見した、太陽系第9番目の惑星(当時)

以前小惑星「アポフィス」の地球衝突が話題になったときに少し書きましたが。
 
先日(7月14日)無人探査機「ニューホライズンズ」がとうとう冥王星にたどり着いたのです。
今は準惑星として惑星の仲間からははずされてしまった冥王星ですが、僕にとっては太陽系最果ての星として認識しています。
 
冥王(=プルート)とはギリシア神話のハーデス。
冥府、つまりはあの世の王。
放射性元素の「ウラン」の名は天王星(=ウラヌス)、「ネプツニウム」は海王星(=ネプチューン)、「プルトニウム」は冥王星(=プルート)からとられています。
 
ところで、太陽系には「エッジワース・カイパー・ベルト」と呼ばれる一帯があります。
海王星よりもさらに遠方に広がる小天体の総称。
冥王星はこの中に属する準惑星として、2006年に惑星の座から降格してしまいました。
火星と木星の間にある「アステロイドベルト」とはちょっと違い、太陽系創生以来ほとんど組成が変化していないといわれる地域。
いろいろ太陽系の秘密を解く手がかりも見つかりそう。
 
さて、冥王星って変わった星だなぁって子供の頃から思っていました。
時点の軸が90度お辞儀したように回っていたり、公転の軌道が歪んでいて海王星と入れ替わったり(おかげで準惑星になっちゃったわけですが...)
 
地球や火星では中心のに金属がどろどろに溶けたコアを持ち、その周りを岩石包み、周囲を薄い大気がおおっています。
木星や土星では岩石のコア周囲を水素等のガスが包んでいます。
海王星や天王星は岩石コアの回りに分厚い氷の層と水素の大気。
冥王星はコアの回りに氷の層で、大気なし。
でも、昔冥王星内部は熱を持っていた、と推測され、溶けた水が存在したといわれています。
その名残で表面には大きな亀裂がある?それともまだ水は存在する?もしかしたら有機物も存在する?或いは生物も??
今回の探査機の接近でその辺りのことがわかってくるかもしれません。
すでに富士山より高い氷の山嶺が確認されたようです。
ということは? 

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2015年7月18日 (土)

テスト

F1000015

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2015年7月17日 (金)

見知らぬ天井~その5

このblogで見知らぬ天井を語るのはこれが5度目だそうで...
でもまあ近況報告と言うことで...

というか、I'm afraid of...
気を紛らす為にこれを書いています。
 
今術着に着替えました。
点滴に抗生剤も加わって、後は運ばれるのを待つのみ。
で、全身麻酔。
 
入院生活もはや5日
ちょいと問題発覚で手術が中止になり、再手術はこのまま入院して2週間後との宣告。
いや、それは困る...
と言っても医者も困る...
美人の主治医A先生はちょっと考え、「治療の結果が良ければ」という限定付きでもう一週間早い予定を組んでくださいました。
それが今日。
 
昨日の朝の結果をもって今日の再手術が決定。
昨晩から絶食と安静。水もダメ。
 
お腹すいたなぁ...
と書いているうちに呼ばれました。
いよいよ、みたいですね。

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今日の衝動買い


タブレットはいくつも持ってるのに...
でもクアッドコアがふたつのオクタコア!
キーボードつけるとほぼラップトップPC

 
楽譜を書くならノートPCが必要だし、メモや文章、メールや調べものならタブレットで十分。
というわけで、SurfaceProと迷った末にこちら。
マウスパッドもついていて、PCとの違いがわからない...
そこそこしたお値段分は使いきりましょう(^_^)

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2015年7月15日 (水)

秘儀Ⅲ~演奏①

秘儀Ⅲを演奏面から眺めます。

実は前半の実演についてはすでに触れていました。
秘儀Ⅲ~その⑥
その補足と後半のお話を。
 
解説した通り全体は大きく二つの部分からなっています。
「M」までの前半とそれ以降の後半。
さらにそれぞれが二つに区分されて、全体では4つのセクションに別れています。
それぞれのセクションの前では音量の増大と速度の増加が見られますが、
第1セクションのラスト(「G」の前)ではaccel.はありません。
この事は全体を構成する上では重要な情報です。
やはり全体としてラストに向かって高揚していくことを意味しているのです。
 
3/4の3拍子で書かれているが1小節一つ振りで振るのが良いと思う、というのもすでに触れました。
ここで注意したいのは、3拍目を下で待つような振り方は良くない、ということ。
表現の機会を少なくしてしまう、テンポが調節しにくい、等々ありますが、もう一つ。
1拍中1-2-3の3が遅くなってしまう危険があるのです。
 
とかく奏者がなかなか抜け出られないのがこの現象。
つまりはテンポが遅くなってしまうのですが、そうはなりたくない。
ので、無理矢理拍頭を合わせる、つまりは1拍中1-2-3の3と次の拍頭が近くなってしまうのです。
簡単に言えば付点のリズム。
じゃあどう振ればよいのか…それは直接伝えないと誤解されそうなのでここでは割愛。
 
ところで、このリズムの大問題、その⑥でも触れています。
口で32分音符を8個(タカタカタカタカ=8部音符2個)刻んでから1-2-3の3を手で叩いてみると顕著です。
とにかく遅い。
次に、同様に口で32分音符を刻みながら3-1を叩くと...早い。
日本全国できっと苦労しているんでしょうね。
僕は1-2-3の2の取り方にもコツがある、と思っています。
実際に踊ってみるとわかってきます。
どこで重力を利用しつつ上行し、どこでそのエネルギーを回転運動に変え、どこで重力を受けて下降するのか、結局指揮法にも繋がるのです。
 
「A」の補足
やはりアクセントを印象的にしたいのです。
特に初めて出てくるアクセントは意味が強いです。
音の出だしにアクセントが不用意に付きがちなので、スラーの切れ目が強調されるのを減らすべく演奏します。
すなわち、頭に空気の固まりをぶつけず、抜けの少ない吹き方で音価ギリギリまで保ちます。
「最後の音をもっと長く」と言うと最後の音だけ不自然に伸ばしがちです。
「スラーの音価をしっかり吹ききる」ということに尽きるでしょうね。
アクセントはタンギングの強さに非ず、息のスピードや圧力に依るのが基本。
言葉のアクセントと同じですね。
その後、アクセントのズレが増えてくると余計に不用意なアクセントが邪魔になってきます。
アクセントばかりになる、というのはつまるところアクセントがないのと同じですからね。
花火の乱れ打ちのようなアクセントの百花繚乱は後々にとっておきましょう。
高音の発音、フレーズ頭やスラーの吹き直し、等に意味のないアクセントがつかないようにすると、実際のアクセントが強すぎずにすみます。
 
フレーズが徐々に長くなってくると、フレーズ後半のエネルギーが落ち気味になります。
「最後の音を長く」と言う呪文だけ残っていて不自然になりがち。
「B」「C」の前など要注意ですね。
 
「B」の補足
冒頭の打楽器のアクセント。
これは効き目あります。
その後の計算が必要ですが...
打楽器の音量変化を効果的に見せつつ、全体のヴォリュームは抑えて第1セクションを作りたいところです。
 
管楽器のcresc.頂点の到達位置のズレはさほど聴き手に印象を残さないようです。
前述の通り不用意なアクセントがついてしまうのも一因でしょうが、揺らぎ程度にしか伝わらないのも事実。
ということは、それはそれで良いのです。
が、この面白さを伝えるのにはこだわりたい!
というわけで、やはり吹きはじめの音にアタックが強くつかないように気を付けます。
それと不用意なアクセント(特にCla.の高音)
 
5小節目からの6小節間、アクセントを活かすと2小節毎のフレーズが生まれます。
楽器と声部が増えれば増えるほど細かい描写は見えにくくなりますから、ここで見えてくるフレーズを丁寧にしかしはっきりと印象づければ、後半への布石になると思います。
 
「C」の補足
やはり金管のアクセントは木管よりも強めの方が効果があるようです。
パート内のアクセントの吹き方について、統一する必要があります。(究極的にはその乱れにも面白さがあるのかもしれませんが...)
Hornは3パートになっていますが事実上2パートのみ。
人数はバランスをとって二分した方が良いでしょうね。
 
「D」の補足
同一声部であるEup.とT.Sax.のバランスに一考。
Eup.は、ちょっとアタックが強く中身が抜ける、と言う演奏にも多く出会いました。
T.Sax.との間でメロディが行ったり来たりする際、楽団によっては人数や音量のバランスの差が大きすぎることがあります。
 
「E」の補足
Trb.のportamentoは僕の場合はゆっくりやってもらいます。「M」でも同様に。
まるで平衡感覚がおかしくなったかのような効果。
C.b.のいない楽団ではTubaに低音Es音のサポートを入れます。
 
ここまで慎重に作ってきた打楽器群でも、この辺りだけヴォリュームが大きく聴こえてしまいます。
気になる場合には、意図的に見えない範囲でバランスをとるのもよいかもしれません。
 
「F」の補足
管弦楽器の精度(特に先行する8分音符)をあげるには指揮のテクニックでやってしまうのが手っ取り早く確実です。
適当にやるとスッキリしないクライマックスになってしまいます。
打楽器の「ff」の前3小節、僕は少しだけcresc.してもらっています。
あまり大きくはcresc.しませんが「ff」は存分に鳴らします。
ここまで、あまり大きく振らず、全体としての高揚を抑えた演奏を心がけています。
 
「G」~「J」
この部分の、それぞれ8声部の重なる4つのフレーズは、色々試してみて、結論として「なにもしない」のが一番良い、とたどり着きました。
と言っても、「何も表現しない」のではなく「意図的な操作は必要ない」と言うことです。
必要なのは「奏者各々は自分の声部を理解して演奏する」「各声部の吹き方はできるだけ統一する」事だと思っています。
 
「G」~「J」の4つのフレーズのうち、特に第2フレーズ(「I」)と第4フレーズ(「J」)には大きな揺らぎがあります。
僕はこの部分の音量変化とアクセントの位置は基本メソッドで統一することにしました。
僕はこんな風にリハします。
・打楽器を除く全8声部を同時に演奏する(1フレーズのみを各声部同時に開始する)→同時に演奏することで、声部間の違いが浮き彫りになる。と同時に内包されている和声主題が顕になる。
・各声部毎に演奏して、音量変化、アクセント等を整理する→特に段階的音量増が前半でやり過ぎるのを徹底して抑える。
・楽譜通りの順番で演奏する(1フレーズのみ)→1フレーズのみだと音量の移り変わりが分かりやすい。
p-mp-mf-fと段階的に大きくなっていく際に、やはりすぐ大きくなって頭打ちになる傾向が出ます。
音量の差は後半の方が大きくなるように設定した方が良いでしょう。
後半の「R」「S」等への布石にもなります。
  
「G」からの4つのフレーズを完全に譜面通りに演奏した際には、前後のフレーズの断片があるため、全体としては結果的に「そのときにfを演奏している声部・フレーズ」が目立つように感じます。
また先程の練習の時のように簡潔ではなく、もっと混沌として聴こえます。
が、丁寧に演奏するとその混沌の中で「p」のパート(フレーズの先頭)も聴こえてきます。
すると、8つの声部の音響的関係が(前半上行、後半下行)見えてきて面白いのですが...
そこはやはり指揮者の耳とセンスに委ねられますね。
「K」の補足
「J」のラスト、全パートにアクセントがつき、そしてstacc.も付いています。
しかし「K」は最後の8分音符にstacc.はありません。
そんな小さなことにこだわらず、そのまま進めていってももちろんいいのですが、僕はこだわって長く演奏します。
cresc.もaccel.も少なく、音の変化をしっかり見せるように演奏します。
「L」からの3小節間は思いの外停滞感があるようで、ここを「ため」としてとらえるかは好みの別れるところ。
僕はここで加速を上げます。
そうすることでまるでジェットコースターの斜度が上がったように感じるのです。
しかし後半のことを鑑みるとここはまだ道半ば。
ほどほどに、とは言うまでもありませんが。
 
後半の話は...続きます。
 
 
打楽器の選択について少し触れておきます。
・Timp.上のTamb.
Tamb.に足をつけたり、振動吸収のパッドをつけたり、ジェルで固定したり、色々と皆さん工夫されているようです。
色々試した中で僕が使っているのは「緩くスタンドに付けたTamb.をしなだれかかるようにヘッドにのせる」方法です。
うまくセッティングすると、人ぐるは長めに鳴り、ヘッドの上での跳ねは極力押さえられ、Tamb.の移動に悩まされることもなくなります。
ダブル・ジングルの重めのものを使っています。
・B.D.
本当は口径の小さめな、チューニングも少し高めの、そして幾分チープな音のするものが好みです。
出来るだけ余韻のない音が良いのです。
前半や小音量の部分ではミュートとして裏面に毛布をかけたりしています。
デッドストロークも良いのですが、チューニングが低めだとうまくいきません。
・Siz.Cymb.
僕が吹奏楽でよく使うのはボールチェーンなのですが、この曲では意外と難しいです。
振動と響きが長すぎることがあるのです。
dim.もとても難しく、一人で演奏する場合は音止めのテクニックが必要です。
そこで市販の、取り付け式のSiz.マシンを使う手もありです。
響きの長さは調節しやすいものの、音量と音色のコントロールは結構難しいようです。
・Gong
これはもう実際に叩いてから買う、に限ります。
ネットで買うのは全くのギャンブル。
もっとも実際に足を運んだとて、望む楽器がそこにあるかどうかも運なのですが...
できるだけ音程の変化の速いものを使いたいとは思っています。
・マレット
Timp.はできるだけ硬いものを使ってもらいます。
ただ、体重の乗らない音にならないように、最終的には奏者本人のチョイスに任せます。
B.D.も同様ですが、やはり前半はかなりシャープな音がほしいので硬めにしてもらっています。
やはりヘッドとの相性に帰結しますが(^_^)

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2015年7月10日 (金)

『ある英雄の記憶』~「虹の国と氷の国」より

題名が違う?
あ、確かに。
まあ、別にどちらでもいいのです。

先日書いたエピソードの続き。
多少脚色しましたが…

~その序曲の中には氷の国のお姫様や虹の国の王子様や、魔法使いや動物たち、いろんな音が登場します。
それを聴いた子供たちは「これ僕の音だ!」「これ私の音~!」
わずかなモチーフを見つけて純粋に喜び、飛び跳ねるのです。
…こんなに嬉しいことはない…(※アムロではない)
素直な耳と心に感動しちゃったのです。

自分もこの心を忘れたくない、と強く思ったのでした。

『ある英雄の記憶』~「虹の国と氷の国」より
http://you-conductor.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-f41b.html

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雲の通い路

雲が速い

湿気は好きではないが雨は好きだ。
静かに、落ち着いた気持ちになれる。

手術が決まってから、怒涛のように時が過ぎる。
レコーディングから合唱、オケ、オペラ、吹奏楽、本番、と一週間で。
家には帰れない。

分厚い雲は光を閉ざし、仄暗い。
暗く、沈む気持ちになるか、と言うとそうでもない。
しかし、ちょっと頭が重いのはたぶん鎮痛薬と低気圧の所為。

その幾重にも重なる墨絵のような濃淡のモノトーンから、一条の光が落ちてきた。
まるで天使の通り道のようで、「あれ?お迎えかな?」なんて思ったりして。
あれはヤコブの梯子?

シェーンベルクの描いた『ヤコブの梯子』には届かなかった憧れが隠されている。
夢の軌道エレベーターは実現可能なところに近づいている、と言う。

だが、今日の光は違う。
あれは「雲の通い路」

天津風 雲の通い路 吹き閉ぢよ

       乙女の姿 しばしとどめむ

祖母の十八番だった一歌。
もちろん大人気の歌だが、子供の頃から僕はちょっと切なかった。
失われ往くものへの哀切が詠われているように思うから。

ああ、おばあちゃん、僕は頑張れているでしょうか?
あなたに胸を張って会えるでしょうか?

きっと時間にして十数秒の刹那の奇跡。
天津風は吹くことなく、乙女の姿は掻き消えた。

でも、目に焼き付いたあの光は、
僕をもう少しだけ先へと運ぶだろう。

あの光でご飯が三杯…
いや、曲が1曲書けるだろう。

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2015年7月 7日 (火)

ピーターパン

今日はミュージカル『ピーターパン』のレコーディング。

無茶ぶりもありながら、の素晴らしい曲とアレンジ、そしてすばらしいミュージシャン。

やりなれたはずのサウンドインAスタがなんだかとっても新鮮でした。

皆さんミュージカル『ピーターパン』よろしくね。

今年の暮れはミュージカル『スクルージ』も振ります。

西村割引もしますからチケット欲しい方は連絡を。

劇団四季『アラジン』も割引ましょう。

こちらは僕の独断。
音楽監督が大好きな人で、仲良しなので、僕の自腹で。

その前に茅ヶ崎市民交響楽団にてチャイコフスキーの交響曲第6番などいかがでしょう。

渾身の『悲愴』をお聴かせします。
僕自身は、今までの最高の6番になる予感でいっぱいです。
さて、プレイヤーは如何に?

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2015年7月 2日 (木)

『ある英雄の想い出』~「虹の国と氷の国」より

今年の3月頃のこと。
ある幼稚園の子供たちが劇をやる、と言います。

最近の劇は、お姫様が7人だったり王子様が6人だったり、まあ、いろいろありますようで。

しかしその幼稚園の子供たちはそれを良しとせず、自分たちで物語を、脚本を作る、と言うのです。

幼稚園生にそんなのできるの?

いえいえ、なめたもんじゃぁありません。
みんなで試行錯誤しながら作ったお話は、なかなかによくできたお話でありまして。

みんなで力を合わせて作った物語、「虹の国と氷の国」
どんなお話かと申しますと…

あるところに「虹の国」と「氷の国」がありまして、
「僕らの国の方が楽しいよ」「いやいや私たちの国の方が幸せだわ」、といつも喧嘩ばかり。
「だめだよ、みんな仲良くしよう!」と、両方の国でみんなを説得するのは、みすぼらしい汚い服を着た男の子。
しかし皆にいじめられます。「なんだい!汚い服のよわむしめ!」

ある時、魔法使いが現れます。
「二つの国で一緒に力を合わせて、『虹色の氷』を手に入れないと、国は二つとも滅んでしまうよ」
虹の国と氷の国では大騒ぎ。
それぞれの王子様とお姫様が国の人たちにお願いして、『虹色の氷』捜索隊が出発します。
様々な冒険の末、最後に行く手を阻むのは恐~いドラゴン。
虹の国も氷の国も大ピンチ!

そこに現れたのが、あの汚い服の男の子。
身を犠牲にしてドラゴンとたたかいます。
二つの国も力を合わせて戦って、やっとドラゴンを倒します。
しかし、汚い服の男の子はドラゴンの最後の一撃にやられてしまいます。

「ごめんよ…」「僕らが悪かった…」とみんなが泣いていると、魔法使いが現れます。
「みんな、仲良くすることの大切さがわかりましたね」
「はい…でも、この男の子が…」
「さあ、ここに宝箱があります。おあけなさい」

宝箱には鍵穴が二つ。
虹の国と氷の国のみんなは、それぞれの鍵を差し込みます。
するとそこには『虹色の氷』が!
そして魔法使いが虹色の氷のかけらを汚い服の男の子の口に入れると、
まばゆい光が男の子を覆い、次の瞬間、それはそれは立派な王子様が立っているではありませんか!

それから二つの国は仲良く、新しい王子様と共に末永く暮らしましたとさ。

子どもたちが作ったとは思えないほどのクオリティ!
悪者が全く出ないとか、微妙に「あのお話」が匂うとか、疑問が解決されない、とか最後に王子様とお姫様がくっついて欲しい、とか大人としては思ってしまう部分もありますが、そこはさすが幼稚園児。
その純粋さにかえって感動してしまったのでした。

そして上演のために勝手に作ったのが「虹の国と氷の国」への付随音楽。
全部で30曲ほどの小さな曲たち。
それに3分ほどの序曲。

一日かけてサクッと作って、フィナーレの音源だけで「音」にして手渡しました。
いろんなシーンの短い曲や効果音楽。
すごく効果的に使ってくれて、歌ってくれて、すごく素敵な劇でした。
ただし、序曲はちょっと長すぎる…とのこと。
OKOK、ちょっとカット。
まだ長い?…よしカット。
なになに、まだ長い…?

と言うわけで最終的には20秒ほどになってしまいました。
でもまあ、せっかく書いたから、と言うわけで吹奏楽版に書き改めたのが「ある英雄の想い出」と言う曲。

吹奏楽の為の序曲として生まれ変わったこの曲。
「”ある英雄”、の想い出」なのか、それとも「”ある英雄の”、想い出」なのかは演奏する人、聴く人が決めればよいこと。

さて、どんな英雄が聴こえてくるのでしょう。
楽しみです。

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