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2015年8月 3日 (月)

秘技Ⅲ~演奏④

いよいよ第4セクション。。。
なんて言ってなかなか始まらないわけですが。。。(^_^;)

Timp.奏者にとって鬼門とも言える難所。
テクニック的に難しいとは思わないのですが、まぁ。。。けして楽ではないですよね。
2小節のモチーフを二つ並べて4小節からなるフレーズが6回cresc.しながら繰り返されるわけですが、多かれ少なかれaccel.が生まれます。
完全にテンポをあげずにやるのも、生まれてくる抑揚に”ある程度”寄り添うのも、もちろんアリ。
でも、野放図に流されてしまうとTimp.はかなり苦しくなります。
指揮者はTimp.をコントロールすると言うよりは、Timp.とコンタクトを取りながら全体をコントロールするのが良いと思います。

そんなTimp.とともに「V」では今までの要素が同時に登場します。
躍りのリズムをキープしつつ、音量が上がりすぎないようにするべきでしょう。
そんななか現れる「ff」の高音メロディ。
 
宴もたけなわ、祀りも最高潮、お酒も入っているのかもしれません、なんと言いますか、「イっちゃってる人」が登場するわけです。
三国志で曹操が帝の前で剣舞を踊り、楽隊が最高潮で狂ったように演奏する様のようでもあり、
永井豪の名作「デビルマン」で飛鳥了と不動明が、デーモンとの合体を目して参加した、理性をかなぐり捨てるためのパーティーで苦悶の表情とともにエクスタシーに到達する女たちのようでもあり、
バレエ「春の祭典」で、体力の限界の果てまで踊り続けた末に血を吐きつつ絶命し、それでも恍惚の表情を浮かべる血の生け贄のようでもあり...
まあ、そんなおどろおどろしいイメージにたどり着かなくともよいのですが、全体がまだ小音量のなかで登場する「ff」のメロディには、何かしらの「狂気」を感じずにはおれないのです。
喘ぐようにブレスをしながら歌う(叫ぶ?)メロディです。
区切りをつけることにあまり意味があるとは思いませんが、便宜的にはこのメロディ以外のパートは、4小節の単位を持っていると言えます。

「W」で指揮者は、Timp.とのリンクは続けつつ3小節の単位で進むオーケストラに、正しいドライブをキープしたまま2小節の空白を作ってもらわねばなりません。
3小節毎の出現位置の指示だけに終始すると、大抵ドライブにはまらず、モタモタします。

「N」の入りは、Timp.とB.D.を強烈に一致させるために、ちょっと狙い待ちする手もあります。
仕切り直す感じ。
これは意外とうまく行くことも多く、けれんもうまくつきます。
若しくは、そのまま突っ込んで、B.D.がTimp.に合わせるか。つまり奏者合わせ。
僕が思うには、「V」~「X」に少しでもストレットがかかるならば前者の方法、ドライブをキープしたまま緊張感を持続できるならば後者の方法が良いと思います。
僕は前者。
 
「X」の5小節目のcresc.を強調したいので、そのパートはTrb.Euph.のcresc.につられずにちょっと我慢するのが良いようです。

「Y」の前6小節の四分音符は、僕はマルカートでやってもらいます。
あまり特別な意味をもってもらいたくないのです。
ここの主役はB.D.!
たった一人で躍りのアクセントを奏します。
そしてEsCla.にある、1オクターブの強調。
もしEsCla.がないならば、1stCla.の一人だけこの音をやってみてはいかがでしょう?
しかし、この部分の頭のTimp.とB.D.は決まらないことが多いです...
片やロール、片やtacetで、ドライブのずれだとは思うのですが。
 
「Z」は小節、つまり、四分音符3つづつを強調することなく、ビートをあおっていってアクセントに突入するのが良いと思います。
オーケストラから生まれてくる崩壊寸前への突っ込み感、が面白いと思うのですが、実際に崩壊してしまうことも多々あり。。。(^_^;)
安全策としては指揮でコントロール。
でもおすすめしません。
 
最後の一発は、まあいろいろ考え方はあるでしょうし、好みもあります。
①「せーの!」「1、2」とQueをだす方法。
具体的には、255小節目の最後の四分音符を下にとり停止→テンポ感をもって下向きに小さく1をとり、上向きに振り上げてから叩きます。
この方法はずれることはまずないものの、無駄な拍、無意味な空白、が生まれがち。
いわゆる「バレる」状況。(ここで言うバレる、とは意図が見えてしまってちょっとしらける状態)
全くおすすめできない方法ですが、結構こうやっている方もいます。
最終手段と言うことで。
②テンポで振り上げてQueをだす方法。
255小節目の最後の四分音符を下にとり停止→そこからテンポで振り上げてアタック。
こちらの方が①よりは緊張感は出ます。
しかし、上記二つの方法はテンポを出さねばならず、そのプレパレーション中にちょっと「バレ」てしまうのです。
テンポはa tempoなのか、それとも早いテンポの継続か?
いずれにせよ、けれん味はつけにくく、あまり面白い音楽とは言えません。
 
もうひとつ、「255小節目の最後の四分音符を下にとり停止」ではなく、そのままの拍子を振って止まる方法も紹介します。
つまり、255小節目の頭を振って止まるか256小節目の頭を振って止まるか、の2種類。
どちらの場合も下で止まります(上で止まる方法は後述)
256まで振るのはかなりダサいですが、G.P.中のテンポのキープは容易いです。
255までで止まったとしてもG.P.中のテンポキープは楽です。
この後、前出の①の方法でも②でも、どちらの方法で振り上げたとしても、テンポーキープでやるのは簡単です。
この方法を奨励している指揮者の方も見たことがあります。
でも、いくらやり易いからってG.P.なかにテンポ感があるのはやっぱりカッコ悪いし、避けてほしい方法。
 
ここで忘れてはならないのは、「最後の一発のリズム感」
ただの一発だったら小節頭で事足りるわけで。
そうではなく、「2拍目にあるアクセント」がほしいわけです。
だから、絶対に1拍目の拍感は必要なのです。
 
だけど、G.P.中は緊張感もって停止したい。
長すぎると冷めるし、短すぎると効果がない。
で紹介するのが上級用。
③255小節目の最後の四分音符を下にとり停止→テンポと関係なくゆっくり振り上げ、振り降ろしのみでテンポを作ってアタック。
この方法だとプレパレーションのバレはなくなります。
振り上げの時間は歌舞伎のように見えて面白い。。。けど、わざとらしくもあり。
でも某先輩指揮者はかっこよかったなぁ(^_^)
④255小節目の最後の四分音符の位置、上で停止→そこから振り降ろしのみでテンポを作ってアタック。
この方法は停止時間もいくらでも演出でき、けれんもすこぶる強く、申し分ない効果。
停止中にわずかに動いたり、身ぶりを加えたり、も可能です。
 
振り降ろしのみで1拍を感じさせることは練習次第で十分可能です。
 
究極的には、
⑤直接運動にて拍のみを伝える
でも演奏は可能です。
そして恐らく、それほど難しい話でもありません。
打楽器に任せちゃってもよいわけですから。
まあ、僕の年ではなかなかやりにくいですが。。。
80歳ぐらいになったらできる、かな(^_^)
 
 
 

。。。おまけ
「K」~、「U」~、がうまく振れない、という話を時々聞きます。
1小節中「1,2,3」の「3」を下でとる振り方、の人が良く陥るようです。
ただ「待つ」ために「3」を下で感じるのはやめた方がよいです。
 
サブディバイド(分割)で「3」を下や途中でとるのは、①テンポが遅いとき②「3」の裏等を示したいとき③テンポを安定させたいとき、などには有効です。
僕も良く使います。
が、①テンポをあげたいとき②表現を加えたいとき、などにはまったく身動きがとれません。
 
「K」や「U」では僕は音を長く演奏しています。
つまり遅くなる要素があるのです。
そこで、
「1,2,3」の、「1」を早く振り上げて「2」を上でとり、振り下ろすなかに「2,3」を作って粘りとコントロールをやり易くしています。
いわゆる斎藤先生の指揮法で言う「スフォルツァンド振り」の振り上げに近いのです。
 
。。。おまけ2
旋回舞踊ですから、腕では3拍子の舞踊を振りながら、体は旋回してみたらどうでしょう?
先日試してみたらちょっと具合悪くなりましたが。。。(^_^)

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