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2016年1月 9日 (土)

ちはやふる

ちはやふる

以前から気になっていたコミックだが、なぜか読むのをためらっていた。
それは、この札が僕の十八番札だから、なのかもしれない。

ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川

からくれなゐに 水くくるとは

「千早」は吉原の花魁。
その千早に一目惚れした、人気大関の「竜田川」は告白するも振られる。
そこで妹分の「神代」に告るもやはり振られ、ショックで相撲を廃業した竜田川は、家業の豆腐屋を継ぐ。
そこにみすぼらしい女が、おからでもいいから恵んでくれ、とやってくる。
その女こそ、在りし日の千早太夫であった。
竜田川が悪し様に断ると千早はわが身を嘆いて井戸に入水する。
最後の「とは」とは千早の本名「とわ」のことであった。

というのは、この歌を基にした落語のあらすじ。
でも、この落語を知ったのはこの歌自体を知ってから、ずいぶん経った頃。

このエッセイ(ブログ)でも幾度も語っているが…
僕の祖母は北鎌倉女子高校で古文の教師をしていた。
人望厚く、顔も広かったため、鎌倉の自宅にはずいぶん有名人も訪ねて来ていた。
ちなみに祖父は軍人だったが、やはり名前の知られた人で、様々な小説やドラマ、映画、ことに山崎豊子の小説などにも登場する。

そのおばあちゃんは、初孫であった僕をいつも応援してくれた。
おばあちゃんだけが僕の行く道に反対しなかった。
明治の人でありながら、自由な考え方の持ち主で、当時としてはかなりハイカラな女性だったおばあちゃんは、僕が思うに“旅の達人”でもあった。

「人生は旅である。旅の目的は目的地に早く着くことではない。旅そのものが目的なのだから。だからお前は焦ることなく自分を信じなさい。少しでも時間があるなら、高速道路を降り、鈍行に乗り、寄り道をしなさい。そこで出会ったものすべてがお前を助けるだろう。誰かがきっとお前を見ていてくれるから」

そんな祖母の言葉が今も僕を支えてくれる。

晩年、たばことマージャンも大いに続け、そして百人一首は僕や母が束になっても全くかなわなかった。
(ちなみに、僕は母にもいまだにかなわない…)

その祖母が僕にはじめに教えてくれたのがこの、「ちはやぶる…」の歌だった。
子供たちは大体、「きりぎりす…」とか「…乙女の姿…」とかから覚え始めるのだが、祖母が教えてくれたこの歌が僕はとりわけ好きだった。
鎌倉山の四季は、本当に色彩々で、ほんの少しの季節の移ろいの色合い、音、匂い、すべてが僕の五感に染みついている。
きっと、今より数十年前の方がその色合いは強かったに違いない。

思うに、
これは、きっと恋の歌。

漫画「ちはやふる」を、一気に読んだ。
白黒のページに、色が踊っている。
かるたを始めた時の、あのどきどきとワクワクが、真空パックの様に新鮮に。
あの頃の鎌倉山の風の匂いまで甦ってくるようだ。

何を隠そう、中学校の頃、部活動は野球部に所属し(3年時には吹奏楽も)、クラブ活動(授業の一環)では3年間かるたクラブに入っていた。
このエッセイ(ブログ)でも百人一首の話は何度も登場する。
あんなに一生懸命憶えた歌たちを、今でも覚えているだろうか…

(天津風…  http://you-conductor.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-52a4.html )
(文知摺観音… http://you-conductor.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_a631.html )
etc...

そう言えば、今年はまだ母と百人一首対決をしていなかった。
対戦を申し出てみよう。
下準備を整えたうえで。

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