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2016年2月28日 (日)

作曲者からのちょっとしたおまけ

ある英雄の記憶 「虹の国と氷の国」より

某音楽大学から簡単な解説を、と言われたので、少しだけ書きました。
あくまで、思いついた少しだけの提言…
詳しいアナリーゼはいずれまた(*^_^*)

ちなみに欧題の「The legendary tale of a brave heart」はアメリカ暮らしの長かったオペラ歌手塚本伸彦さんが考えてくれました。ありがとう~!

 

◆演奏上のお願い
 
“指揮者”の目で見たアナリーゼはまたの機会にしましょう。
 
“作曲者”としては…
 
・冒頭の4小節目のメロディ(Cla.2,etc.)はCla.1に潜りがちなので、セッティングや音量バランスによっては人数の配分を考えた方が良いと思います。
 
・基本的に三連符と付点のリズム感は大げさに変化させた方がカッコ良いと思います。
 
・「B」からの主題。マルカートで演奏してください。もちろん短すぎず。四分音符と付点八分音符が全く同じ印象になるように演奏してほしいのです。
 
・「D」の一拍前、フェルマータや、一度指揮棒を止めてからのテンポとり直し(せ~の!ってやつ)は絶対やめてほしいです。Timp.が活きるように。
 
・主部はとにかくドライブが滞らないように演奏してほしいです。伴奏が3連符と4分音符でドライブ感が変わりがちなのです。
 
・「F」からは1小節単位で音楽が切れないように長いフレーズで演奏してほしいです。メロディも伴奏も。Hrn.が切れ切れなのは、ドライブを損なわない中に音の揺らぎが欲しかったから、です。和音の変化(のスパンや方向)にも音楽を感じてほしいです。
 
・「G」の前のHrn.Trp.は可能な限りcresc.を持続してもらいたいです。粘って。
 
・「I」の前のフェルマータは低音以外dim.せずに断ち切ってほしいと思って書きました。低音は「fp」に近いぐらい音量を落として、「I」の頭はすごく長く演奏すると効果的です。断ち切る音の後でも音楽が連続しているようにしたかったためです。まあ、いろんな演奏があってよいので違う方法論で場面転換してもかまいませんが…
 
・中間部の「I」は和音を解析してそれに沿って音楽を作ればOKだと思います。と言っても少ない和音の連続です。和音そのものが持つテンションの高さで音楽を構築し、今の和音から次の和音のテンションの高さにどうつなぐかで流れが決定します。つまり方法論は通常の音楽と同じ、です。どのくらいの加減でやるか、と言うことですよね。
 
・「K」の前は演劇的センスで演奏してほしいです。どこの拍までストレットをかけるのか、どこで力を抜き始めるのか。その位置によって、Cla.1が大きめに入ってdim.するのか、徐々に聴こえてくるようにcresc.するのか、が決まります。あ、逆から決めてもいいですね。
 
・「L」の前のTrp.はベルトーンで書きました。ベルトーンを強調しても面白いのですが、オルガンの様にかぶさっていっても面白いようです(そちらの演奏によく出会います)
 
・「L」の前1拍は「D」と同じくテンポのとり直しはカッコ悪い…。自信がない人は次善の策として3拍目の三連符を振り分けてはいかがでしょう。
 
・「M」に増えているオブリガードは短いスパンのcresc.を各パートが繰り返してほしくてブレスをずらしました。
 
・「N」の2小節前は音量が「f」に増大しています。先ほどとバランスを変えてみるのも面白いかな?と思える演奏にも出会いました(Trb.を聞かせる、とか)
 
・「O」は当然ストレットもかかります。そのアゴーギクを吐き出すために「P」の2小節前がMeno mossoになるのは当然構いません。ストレットなしにやると気持ち悪い(ダサい)ことになりますから注意。
 
・「P」のフルートは無理せずとも聴こえます。しかし作曲者としては「P」に入ったら全体の音量をかなり落としてもらいたいです。なんとしても7小節目のHrn.が聴きたいのです。9小節目からが本当の「f」。7小節目のTrb.Eup.T.Sax.A.Cla.は「fp」にするといいでしょうね。
 
・「P9小節目からのCla.はオーケストラのヴァイオリンのように感じる必要はありません。オケのtutti中のCla.だと思って演奏してください。ヴォリュームで他声部と張り合うつもりで書いたのではありません。
 
・「R」のテンポは変わらずに最後まで行くように書きました。しかし、「メトロノーム数字も書いてないし、ancoraと書いてあるわけだし、冒頭と同じテンポでやろう!」という解釈が数十団体に一つぐらいあってもいいんじゃないかな?中学生とか高校生とかで。と思ってあえて数字を書きませんでした。(余談ですが録音の際、秋山先生は遅いテンポで演奏しました。デフォルトは速い方なのです、と前述のお話をしたところ、「じゃあ、僕は中学生レヴェルってことだねぇ、友君~」とからかわれましたが…)
 
・ラストの4分音符はもちろん自由な解釈で構わないのですが、作曲者としては長目をイメージしました。

 

 

 

・「soar!」は空高く駆け上がるように!、「Malinconia」はメランコリックに(哀愁を帯びて)、「Eroicamente」は英雄の様に、と言ったような意味です。「en dehor」は目立つように、と言った意味でよく使われる仏語です。

 

 

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