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2016年4月28日 (木)

ancora eroicamente

たくさん質問のメール頂きます。
Ancora eroicamente
「もう一度(さらに)英雄的に」
この中にテンポに関する指示はありません。
つまり、テンポは変わらないのです。
 
「でも、冒頭にも同じ記述があり、それと同じと言う意味を含むならば同じテンポでやるべきではないの?」
 
いいえ。
やるべきである、という読み方は曲解です。
「冒頭と同様に(或いはさらに)“英雄的に”演奏する」と解釈するのが正しく、そしてそれが「なんの必要(或いは必然)で書かれたのか」を読み取るべきなのです。
 
苦難を越えて旅をしてきた若き英雄が、最後にどんな言葉を語るのか。
それとも、昔語りの老人の話す冒険譚なのか、年老いた英雄自身の想い出話なのか、それとも客観的に語るストーリーテラーのプロローグとエピローグなのか。
 
この曲を書いた時、「英雄」は現在進行形で物語を奏でていました。
つまり、そのまま駆け抜けるテンポしかありえなかったのです。
しかし、しばらく経って楽譜を眺めるとちょっと違う情景が見えてきました。
 
まったく違う時系列、主観と客観、受動と能動…etc...
ああ、いろんな表現の可能性がある…
そう思って具体的な速度の縛りを外しました。
 
そういうわけで、
「はじめと同じテンポにするべきだ」と言うのははっきり間違い、です。
でも、その表現に必要だ、と思うのならば、堂々とテンポを変えてももちろん構わないのです。
 
音響的理由や、技術の問題だけで遅くするのはおやめください(*^_^*)

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