« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »

2016年6月

2016年6月21日 (火)

反省と後悔と、中二病の紅い夕陽

朝からたくさん音楽をして、翌日も朝から音楽と一緒で、
本番と言う山を一つ越えた後に320km移動してもう一つ音楽をして…
 
それぞれきちんと全力で、手も抜いたりしないし、気力も体力も漲っていて 
 
でも、いつも通りではない、と言うより、テンションがいつもと違うのか…
 
ステージのm最後の曲が終わると同時に、待たせてあったタクシーに乗り込む。
絶対に間に合わないだろうと思っていた新幹線に奇跡的に間に合う。
予想時間よりも早く到着できたので、リハ時間も多く取れるはず。
 
リハでやるべきこと、実現するべきこと、選ばねばならないこと、
諸々のなすべきことをきちんとこなしてこその指揮者なわけで。
 
でも、気配りが少し足りなかったことに、今年最大級の反省をしているのです…
 
 
今年は、「西村友の作った曲ってなんだかとってもファンタジー。さぞかしご本人は中二病なのでしょう」と日本中で言われています。
そう。
僕はいつまでも夢見る「中二病」
今中二でTrp.を吹いている姪っ子とはアニメやら漫画やら、とっても気が合います。(と信じています)
「いいよな~べつに。中二病で。楽しいし!」
と彼女に言ったら、
「…私はもう中三だけどね…」
と言われてしまいました…
 
音楽は仕事で、そこには責任や義務もあるわけで、すべてが自分のやりたいようにできるわけではもちろんありません。
そのなかでいかに自分のやりたいことをやり、そこに自分の輝きを作ることが出来るのか、と言うことなのです。
まあ、世の人はすべからく、少なからず、同じ想いを持っているのでしょうね。
 
それでも、いや、だからこそ、
僕は死ぬまでこの「中二病(厨二病)」と呼ばれる、夢見がちで青臭い気持ちで生きます。
大人として、先の反省ももちろん踏まえつつ。
 
中学生の頃、高校生の頃、
学校の帰り道、恋する彼女と自転車を押しながら、
他愛もない話をしながら、ずっと想い憧れて、抱きしめたくても手すら握れなかったあの頃の、
彼女の柔らかいくちびるを、小さな胸を、細い肩を、白く伸びた手を、足を、
胸をかきむしるようなもどかしい想いと、
紅い紅い夕陽の中で見た彼女の笑顔を、
 
今日の夕陽を見ながら、
その光に包まれながら、
ぽろぽろ涙をこぼしながら、
切ないすべての想いを、どんなに辛くても、
この想いを忘却と因習の中に埋もれさせずに、
恋をし続けたい、夢見る音楽を創り続けたい、
この心を忘れたくない、この感受性を持ち続けたい、
明日の夕陽を夢見ることのできる人間でいたい、
と、心から思ったのです。
 
いつか、この世を去るその日まで。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2016年6月15日 (水)

ブリッツ定期演奏会。。。

聴きに来てくださった皆様、どうもありがとうございました。
お礼と伴に感想などを少々…
 
久しぶりに協演したオーケストラは、以前と少し変化していました。
幾人かの懐かしい奏者からは、はっきりと音楽家としての進化が感じられました。
オーケストラとしても、大きくステップアップしたのと、そして同時に課題も感じました。
 
ただただ、限られた時間の中で楽曲を無難にまとめ上げるのではなく、如何に音楽家からあふれる音楽をひとつのタペストリーのように織り上げていくのか、それがオーケストラの醍醐味だと思うのです。
 
一人の音楽家の、良い意味でのエゴが、少人数のアンサンブルに波及して、それがオケ全体の意思として演奏できたときに、それは大きなグルーブとして会場に響き渡る。
それはもちろん、指揮者がインプットするだけでは到達できないもので、一人一人が一流の音楽家であるオーケストラのプレイヤー各々が音楽家としての輝きを放って初めて成し得ることなのです。
 
アンサンブルの人数が増えると、当然個性は没し、平均的な音楽感になっていくもの。
だからと言って、ただその場面での均衡をとって仕上げていくと、全体の音楽としては統一性を欠く、或いは説得力もなく魅力も薄い音楽になりがち。
 
難易度の高い曲たちを相手に、体裁を整えるのと音楽の深淵に迫るのとを、短いリハ時間で両立するのはとても難しいことでした。
まあ、それは何処に行っても何時ものことなのですが…
しかし、安全策を取らず、少しでも表現を高めるようにシフトしたリハーサルに、オケの皆さんも有難いことに辛抱強く協力してくださいました。
すべての曲の作曲家が会場にいる、と言うのもなかなか稀有な、嬉しいことでした。
 
さて、1曲目
いつもは指揮者無しで演奏するというこの曲。
ベネット、ウィリアウムス、スミス、と言った人気の作曲家のエッセンスを取り入れながら、華やかに奏でられる快活な序曲でした。
僕らしさをきっちり出して…と思ったのですが、なかなか長年慣れ親しんだ皆さん独自の演奏を払拭しきれませんでした。
とは言え、素敵な演奏には変わりなく、次回演奏する機会があったら更なるオリジナリティにチャレンジしたい曲でした。
「スペインの市場で」
音楽の中身を表現することに時間を割きました。
この曲の持つシンプルな魅力を引き出すには、オケのサウンドの力も必要です。
その部分はほとんどオケ任せでした。
音楽的には、とても表現の幅の大きい、楽しい演奏でした。
 
「ある英雄の記憶」
自分の曲であることもあり、リハ時間は他の曲に比べ格段に短くなりました。
プロでもアマでも演奏するのは人間です。
やはり、演奏上現れる問題点は、程度の差こそあれ同じように出てしまいます。
当然学生オケのようなリハはしませんし、その時間もありません。
しかしプロといえども練習が必要だった部分が残った感も否めません…
とはいえ、中間部のオーボエは最高でしたし、ホルンもトランペットも素敵でした。
 
「焔」
ある意味、一番力を入れた曲。
「スペイン…」や「英雄…」は言わずもがなですが、次の「マインド・スケープ」も、パート譜からでも全体像や構造が理解しやすいし、そもそも心象風景の具現が、それこそ心のままに演奏できる曲だったのです。
しかし、この「焔」は、パート譜からだけではなかなか全体像、或いは全体の中での自分の居場所、ひいては全曲を通じての構築が難しい曲でした。
モザイク画のように、全体の映像の中のどの部分を自分が演奏しているのかを表現するのがこの曲のキモだと思うのです。
メロディや伴奏の呼吸は時に全く違う流れで進みます。
それだけやりがいのある、まさに指揮者の腕が試される曲なのです。
オケの皆さんはよく細かいリハに付き合ってくださいました。
おかげで、本来のこの曲の姿にかなり迫ることが出来た、と思います。
この素晴らしい曲の魅力が少しでも伝わっていれば幸いです。
もちろんもっとやりたいことは残っているのですが…
 
「マインド・スケープ」
天才・高昌帥の描く音楽は、作曲家・西村友としてとてもシンパシーを感じる譜面でもあります。
近年コンクールでも取り上げることが多いこの曲ですが、やはりカットなしでやってこその音楽です。
例えば美術館で絵画を見て、その時に心の中に生まれた感情を音霊(言霊のもじりで)に乗せる、つまり心の風景(=マインド・スケープ)を、奏者それぞれが演奏するところがこの曲の面白いところ。
オケも素晴らしい演奏でした。
こんな演奏はなかなかお目にかかれるものではありません(*^_^*)
 
後半は振りませんでしたが…
広瀬正憲さんの新曲は、面白かった!
指揮者松元君の音楽づくりもこの曲にしっくりはまっていたように感じます。
広瀬さんは合唱や吹奏楽の作曲コンクールではもはや伝説と言ってもいいくらい賞を総なめにした人。
このブログ上で、「この曲は!」と思って徹底的なアナリーゼをしたのは、広瀬さんの「サラバンド」と西村朗さんの「秘儀3」だけです。
 
「レイン」
静かな綺麗な曲でした。
淡々とした音楽づくりでしたが、なぜか少し落ち着かない印象も受けました。
一度じっくり取り組んでみたい、と感じました。
 
「宇宙の音楽」もやはり、おとなしい印象の音楽づくりでした。
でも、それが功を奏していました。
過度に劇的な音楽をしないことで、かえってこの曲の全体像が俯瞰で見れたように思います。
僕がこの曲を演奏する際には、時にオペラのように、時に讃美歌のように、時に劇伴のように、時にポピュラー音楽のように、時に純音楽のように演奏します。
しかしこの日の演奏は前述のように、シンプルで吹奏楽らしい華やかな、スカッと爽やかな演奏でした。
オケの音も明瞭で、カッコよかったです。
 
少しマイナーな演奏会場でもあり、平日の夜、と言うこともあり客席は満席、とはいかなかったようです。
しかし、ほとんどすべての演奏曲の作曲家が一堂に会すというのは感動的でした。
 
余談ですが…
通常僕は暗譜で指揮をします。
しかしこの演奏会では楽譜を置いて演奏しました。
なぜかと言うと…
いや、特に意味も意図もないのですが…
 
本番でまず譜面をめくったら全然違うページを開いてしまいました。
でも、ヘンな間も嫌だったのでそのまま振り始め、結局暗譜になりました。
2曲目も、うまく見つけられず(課題曲5曲が一冊になった楽譜なのです)、あきらめてそのままマインド・スケープまで全部暗譜でやったのでした…
なれないことはするものじゃないですね…

| | コメント (1) | トラックバック (0)

星を想う

幾つもの想いを越えて、今ここにいる。
厚い雲の向こうの星を想う。
 
成し遂げた、などと言うことでもなく、
手に入れた、などと言うものでもなく、
 
何者かになれたわけでもなく、
たどり着いたわけでもない。
 
ただの道の途中で、
ただの旅の途中。
 
でも、その標が大きいとその先の未知が不安に思えたりする。
 
光に向かってまっすぐ進む。
ただそれしか能のない僕は、ただそれしか術のない僕は、
明日もきっと水底で光る水面を見上げるように、
 
厚い雲の向こうの、
光る星を想う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月 9日 (木)

ブリッツ定期演奏会

まったくもっていつも急なのですが…
 
ブリッツブラスの演奏会、明日に迫りました。
今回はゲスト的に第Ⅰ部のみの出演。
 
1曲目ブリッツの為の序曲は三澤慶さんの力作。
「ブリッツ・フィル・ハーモニック」という言葉の韻をリズムに乗せ、アメリカの作曲家へのオマージュを感じる、さわやかな作品です。
 
2曲目からは今年の吹奏楽コンクールの課題曲が続きます。
まずは、山本雅一さんの『スペインの市場にて』
作曲家の目から見たスペインの市場での印象が描かれています。
そこに僕の妄想も加わって、さてどんな演奏になるでしょう?
 
3曲目は『ある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より』
う~ん、語りたいことは数多あれど…
このブログ内で結構書いているのでそちらをご覧ください(*^_^*)
 
4曲目は『焔』
島田尚美さんは同じ大学の後輩で、指揮は同門。
この曲、第一印象よりもすごく奥が深い!
まったくもって音楽的にやりがいのある曲なのです。
さて、何処まで表現の幅を広げられるか。
 
そして1部最後は高昌帥さんの『マインド・スケープ』
マインドスケープとは「心象風景」
吹奏楽コンクールでもたびたび取り上げられる人気曲です。
高昌帥さんはきちんと自分の書法を持つ、吹奏楽も書いてくれる天才作曲家の一人。
僕が思うに…「音楽表現の多くは、意思と意志の表れ」
チャンスオペレーション(偶然性)の音楽も、即興音楽も、やはりそこに意思はあると思うのです。
意図しない揺らぎやズレなどももちろんあるのですが。
このマインド・スケープでは、音の並びから受ける印象を、奏者(指揮者)が心の風景として演奏するところがキモである、と感じています。
 
アンサンブルは意思なくしては出来ない、しかし一つのメロディーやモチーフから受ける印象は人それぞれ違ってきます。
ソロならばその心象風景の個性は自由です。
しかし、それが人数が増えたとき、どこまで一致するのか?個性は没するのか?或いは一つの方向性に集約されていくのか?
個の心象風景から、少人数の対話、大人数から生まれるグルーブまで、
50人を超えるオーケストラが、個の集団として、しかし一つの生命体としてのマインド・スケープを奏でる様を聴いてください。
 
第Ⅱ部は友人でもある指揮者、松元宏康氏の指揮。
広瀬正憲氏の新作、「天空を駆ける風神雷神」
広瀬氏はコンクールの課題曲で2作品連続で最高位を獲得した特別な人。
その2作品は僕も大注目で、何度も演奏しました。
「サラバンド」はこのブログでもふか~く掘り下げました。
「流沙」も名曲です。
その書法は、非常に精緻な筆致で、ある種幾何学模様のように、しかし自然界に存在する「フィボナッチ数列」のように自然で、説得力にあふれています。
これが、僕にはとても波長が合うのです。
人間的な感覚と表現にあふれた、島田尚美さんの「焔」とは対照的です。
しかし僕はこちらもすごく波長が合うのです!
感情や表情が音に乗って流れていて、時にテンポを越えて同時性も消え、ポリフォニック、或いは多次元の世界に迷い込ませてくれます。
僕の中の二面性かもしれませんが…
これまた大好きです。
 
次は「レイン」
…僕はこの曲を知りません…
でもリハを聴く限りでは綺麗な曲でした。
松元さんは結構聴き映えする演奏に仕上げているようでした。
最後は「宇宙の音楽」
スパークの意欲作です。
場面の描写に長けた作曲家らしい、とてもわかりやすい、誤解を恐れずに言えばアニメのような作品です。
宇宙の誕生からまだ見ぬ未開の未来へと、明快な場面描写に人間の感情も含ませているあたり、人気が高いのも頷けます。
オーケストレーションにある種のムラのようなものを感じるのですが、そこもこの作曲家の魅力です。
そこにどのような意味を持たせ、この曲にさらなる感動を与えることが出来るか、が指揮者の腕の見せ所。
僕も得意曲であるだけに、楽しみです。
 
今回、僕がこの曲を指揮すると思われて、たくさんの問い合わせやチケットの購入をしてくださった方がいらっしゃいます。
チラシが紛らわしかったかもしれません…
困惑やお叱りの言葉も受けました。
本当に申し訳ありませんでした。
チケットを購入された皆さま、僕の振る曲にも、松元くんの「宇宙の音楽」、ご期待ください!
残念ながらキャンセルされた皆さま…、本当にすみません。。。僕の宇宙の音楽もいずれ演奏します!
お楽しみに!
 
ところで、今回の演奏会、スパーク以外の作曲家が全員来場します!!!
こんなことある?
ロビーでは会えると思いますよ!
高昌帥氏や僕の作品も販売しています。
全員のサインももらえるかも!!?? 
 
追伸…
チケットまだ間に合います!
一般3000円、学生1500円でお渡しできます。
数に限りあり!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »