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2016年9月 1日 (木)

台風10号in 北海道

8月の終わりは北海道。
29日のお昼の飛行機で帯広入り。
おりしも迷走台風10号が東北・北海道方面に上陸の予想。
 
この台風10号、散々迷走した挙句に太平洋側から東北・北海道地方への上陸、というとってもとっても珍しい行動をとっているのです。
しかし羽田~帯広には大きな影響はなく、帯広も雨のみで風はなく、翌日の旭川での仕事にも大きな影響はない、と思われたのでした。
 
帯広・芽室でのリハは、とってもアツ~く楽しいものになりました。
まだまだ発展途上の若い音楽家たち。
粗削りながら立派な演奏家でした。
もっと鍛えたいなぁ…
再会を楽しみにしています。
で、夜は豚丼。
はっきり言って、さいこーです。
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翌日30日は朝から旭川に移動。
いろいろ考えた末にレンタカーにて移動。
運転も自分で。
31日に再び帯広で朝からリハがあるため、またホテルは帯広にあるため何とか今日中に帯広に帰りたいのですが、方法はこれしかなさそうなので…
 
30日朝、帯広の天気は雨。
でもそれほど強くもなく、空もうっすら明るくて。
ラジオでも札幌は快晴で暑くなりそう、とのこと。
旭川には16時ごろに着けばOK。
と言うわけで物見遊山でスタートしたのです。
思えば、甘い考えでした。
 
途中いくつも魅力的なダムがあったものの今回はあきらめ、一路富良野を目指します。
途中チーズ工房でチーズとワインを買い、富良野では美味しいコーヒーとシチューを頂きました。
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途中美瑛では信じられないような美しい二重の虹と出会い、
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旭川で時間調整に入ったファミレスでは信じられないような先輩との邂逅もありました。
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大学時代の後輩が指揮する楽団でのリハは、短いながらも充実したものでした。
とっても素直な良い音の楽団。
技術的にも鍛えられていました。
これだけ技術があるならば、丁寧に細部を演奏すれば表現力ももっと上がるでしょう。
これまた、再会が楽しみです。
 
さて、問題はこれから。
夜19半頃に旭川を後にして帯広に向かいます。
途中ひどくなる雨と風。
富良野を越える頃には道路は飛ばされた大小の木々に覆われ、激しい風と雨が車体を大きく揺らします。
気が付くと街灯も消え、民家の灯りも見えませんし、対向車も他の車も見当たりません。
真っ暗な道、激しい風、いつ動けなくなるとも限らない、本当に恐怖のドライブでした。
 
そして南富良野に着くと、道路災害による通行止め、の表示。
通行止めポイントの、道の駅「南富良野」には、入りきれない多くのトラック・乗用車が行列し、風雨の中開通を持っています。
 
警官と道路関係者の話では、他の道路もほとんどが通行不能の今、ここで開通を待つのが残された方法だ、と言うことでした。
旭川に戻り、遠軽経由で行く方法もあるけれど、所要時間は9時間ぐらいかかる、とのこと。
ここで待つ以外に手はなさそうです…
さいわい、水もあり、携帯も通じるようですし、30分ほど歩けばコンビニもあるようです。
 
…午前2時ぐらいでしょうか、クラクションの音で目が覚めました。
警官たちが叫んでいます。
兎に角この場所から動け、との指示でした。
気が付くとタイヤが見えなくなるほどの水。
誘導に応じて車を移動しましたが、今にも止まってしまいそうな水位です。
こんな水の中を走ったことなど今までもちろんありません。
見ると、数台の車がすでに立ち往生しているようです。
恐怖の中何とか水を抜けたところで、再び他の車たちとともに待機に入ります。
 
明け方の頃には、雨も弱くなり、風もずいぶん治まってきたようです。
コンビニまで歩くと、このあたり一帯は停電しているようで、コンビニも真っ暗、食べ物も飲み物もほとんど空っぽ。
お茶とポテトチップとカステラを手に入れて車でさらに眠れぬ時間を過ごします。
 
うとうとしたのか、激しいヘリコプターの羽音で目が覚めました。
時計を見ると7時ごろ。
一台前の大型トラックがUターンしようとしています。
運転手さんが教えてくれました。
「会社からの無線だと、この先は橋が落ちたらしい。巻き込まれて行方不明の車もいるらしい。ここにいても可能性は低いので日高か占冠に向かった方が良い」
 
と言うわけで占冠に向かおうとしたところ、昨日通れた道も通行止めに。 
ダム沿いの道を走ると、ダム湖の水は真っ茶色で、今にも溢れそう。
ダムはクレストゲートも開放して対応しているようです。
普段だったら写真を撮ったりしたいところですがそれどころではありません。
ダム下流の川は放流水による激流で恐ろしい水勢です。
はみ出した水流で道路のアスファルト下が大きくえぐられ、今にも崩れそうです。
恐る恐るそこを越えましたが、間もなく崩れることは間違いなさそうです。
 
途中警官に会いました。
話をすると、「旭川から応援に来た。富良野の道は通れず、札幌周りで来た。」
と言います。
道路情報のコピーをもらいましたが、笑っちゃうぐらい見事に、すべての、本当に完全に帯広に行く道は一つも残されていないのです。
 
占冠までたどり着くとそこは万に一つの可能性にかけて(と言うか他に方法も行く場所もないので)高速の入り口に並ぶ車の列が数キロに及んでいました。
占冠インターより一つ帯広寄りのインター「トマム」までした道で行ける、という情報を手に入れたのでそこまで行ってみることにしました。 
 
天候は回復に向かっているようです。
雨は降っていませんし風も弱くなりました。
川の水も少しは引いたようです、がこんな感じ。
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川の水が道路に溢れていた痕跡か、道は泥だらけのところもありましたし、線路も土台が流され、むき出しになっているところもありました。
たどり着いたのは「トマム」インターチェンジ。
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天気はどんどん回復して、10時を回るころには見事な青空と緑の山々と白い雲のコントラストが本当に美しかったのです。
 
インター事務所の方々と何人かのドライバーの方と仲良くなり、いろんな話をしました(コーヒーや食べ物、ありがとうございました。ごちそうさまでした)
兎に角、ここで待つ以外に方法はなく、橋が落ちたり土砂崩れをしている道に比べれば高速道路の方が望みがあるだろう、と言うのがみんなと話したうえでの結論でした。
時間はそろそろ12時。
15時間以上食事らしい食事も睡眠もとっていません。
そろそろ決断をしなければなりません。
 
今日(31日)の仕事はほぼ絶望的です。
連絡してリハはキャンセルしてもらいました。
レンタカーの返却は帯広、フライトは帯広空港、宿泊していたホテルに大きな荷物は全部置いてあります。
方法は二つ。
このままここで開通を待つか、他の空港から帰るか…
 
現在の作業状態等、ここで得られるだけの情報をすべて考慮しても、道路状況が回復する可能性は未知数です。
明日札幌で演奏する予定の(午前中僕がリハする予定だった)楽団は、午後のリハをあきらめて旭川を経由して10時間以上かけて移動することにしたそうです。
僕が帯広に行く理由はなくなりました。
 
航空会社に他の空港発の便に振り替えられないか問い合わせたところ、それは出来ないとの返答。
しかしここでこれ以上待っているのも限界です。
千歳空港から帰ることに決めました。
 
荷物は帯広から自宅に送ってもらうことにして、千歳空港で自力(定価)でチケットを購入することにしました。
レンタカーも連絡の上、千歳に返却することに。
遅延金、回送料、フライトチケット、大きな出費になりましたが、どうやら帰れそうです。
 
なんとか千歳にたどり着きました。 
ホルンを持っている人を見かけ、あれ?と思ったら東京フィル奏者の後輩でした。
彼女たちも、明日の釧路公演に陸路が使えず、急遽。空路で向かうのだそうです。
 
フライトチケットも手に入れ、兎に角フライトまでに何か食べようとお寿司屋さんに入りました。
美味しかった…(^_^)
体力的にはすごくきつかったのに、精神的にはケロッとしています。
金銭的には…きつかった…(*^_^*)
 

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