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2018年1月22日 (月)

ナインテイルズ②

ミュージカル「ナインテイルズ」
昨日、大千穐楽を迎えました。
鳴りやまぬ拍手と、スタンディングオベーション。
間違いなく大成功でした。
 
昆夏美さん、小野田龍之介さん、J・キムさんらを主役に迎え、宮川彬良の音楽を田尾下哲が組み上げる。
振付の平山素子さんはじめ、スタッフも超が付く一流ぞろい、他の出演者のみんなも主役級の実力者ばかり。
僕もまあ、歌唱指導やら楽譜書いたり音楽の仕上がりを見たり、と参加したわけです。
 
この「ナインテイルズ」
彬良さんにとってももちろんそうですが、僕にとっても大変いわくつきの作品であります。
この作品、もともとは「ルビチ」という題でした。
ロシア語で「愛」を意味します。
 
約17年前のある日、彬良さんから楽譜を手伝ってほしい、と連絡がありました。
「ルビチ」と言うミュージカル作品を書くんだ、と。
僕と彬良さんは知り合ってまだ間もないころ。
僕の書く楽譜はおろか、僕の指揮も見たことなかったはずです。
なのになぜ、そんな大役を?
当時、僕も彬良さんも何と30代。
彬良さんの思い付きと決断には今でも驚かされますが、思えばこれが最初の驚きだったかも。
 
届いた楽譜には何の資料もありません。
それを、拙いピアノを弾きながら必死に解読をするのです。
これは…まるで異国から届いた手紙のようだな、と思ったのを覚えています。
実際、韓国語だったのですが。
ルビチの音楽の扉を開き、一歩中に進んでからはもう感動しっぱなし。
そうやって彬良さんからの音符の手紙を受け取り、そして僕も音符の手紙を彬良さんにしたためたわけです。
そしてそれからずっと友情は続いているのです。
 
諸々「オトナの事情」で「ルビチ」は上演が中止になってしまいました。
しかし、絶対間違いなく名作のこの作品。
いずれ世に出るだろうと思っていたらそこからが長かった。
まさに数奇な運命をたどった作品と言えます。
 
「ルビチ」の旅は、今まさにようやく船出をしたところ。
これからどんな展開が待っているのでしょうか?
 
初演の場所、豊橋で、彬良さんと二人で焼酎を飲みながらいろんな話をしました。
話しているうちに、この「ルビチ」≒「ナインテイルズ」との出会いの頃が思い出されてきました。
「友くんの譜面おぼえてる。とっても良かったよ。だから今でもこうして僕らは続いているんだね」
その言葉を聞いて、17年前の手紙の返事をもらえたような気がしていました。
あの頃思い描いた音とは、全く違うようでもあり、いや実はこれが思い描いていた音だったのかも?と思えたり。
不思議な感覚と、切ない思いを持ったまま、「ルビチ」は一旦終演といたしましょう。
またもう一度出会う日まで。

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