« 忘れられない?みんなのうた | トップページ | 秋風の吹く »

2020年9月17日 (木)

オカリナは土の音

今年(2020年)春
仕事でご一緒したオカリナ奏者の小山京子さんに薦められて購入したオカリナ「吟」
Ocarina 職人さんが淡路島の土で一本一本手作りする逸品。
値は張るけれど、ずっしりとした金属のような重厚感、ブレのない吹奏感(いや、素人なんですが…)、半年待った甲斐があるというものです。

オカリナはすごく古くからある楽器…
のように思えて、実は今の形に近くなったのは150年ほど前。
でもその起源はきっともっと古いのでしょうね。
その原型は4000年前のマヤ文明のころからあったとか。

ビール瓶の口を吹いて音を出すのとほぼ同じ発音原理。
入った空気の逃げ道のない壺のような形。
そこで起きる共鳴を利用しているワケです。

※「ヘルムホルム共鳴」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%84%E5%85%B1%E9%B3%B4%E5%99%A8

その音色は、素朴で暖かく感じます。

そもそも「音色」とは。。。

すごく簡単に言えば、音高やヴォリュームとは違う、感覚的変化のこと。
そしてそれは「含まれる倍音によって決まる」のです。
その含まれる倍音を作り出すのは、楽器の形状だったり、共鳴方法だったり、発音方法だったり、それを決定付ける材質の違いだったり…まぁ、いろいろです。

むかし学生時代、「音のサンプリングを録る」というアルバイトをやったことがあります。
シンセサイザーで人工的に音を作り出すための資料、ということでした。
(実際にサンプリング音源としても使われたようですが)
その時に参加したみんなでオシロスコープを見ながらいろいろと教わりました。
波形の種類や倍音列の話やフーリエ変換の話…
そして、楽器の音色の変化は含まれる倍音によってきまる、という驚き。

ほとんどの楽器には複雑に、そして多くの整数倍音が含まれていました。
(クラリネットには奇数倍音しか含まれていませんでした!)
それぞれに特徴や癖があり、また刻々と変化するのです。

倍音を全く含まない音、「純音」(正弦波)
はシンセサイザーや音叉では出せますが、生の楽器ではそんな音はありません。
無機質でボーっとした音です。
ところが、尺八の方がワザを見せてくれたのです。

色々な楽器や人の声では意識的に倍音の構成を変える(=音色を変える)ことが可能です。
口琴やホーミー、ディジルドゥなどでは「音色旋律」的な使われ方もしますよね。
尺八ももちろんそうなのですが、時に「整数倍音以外の音」も強制的に混ぜたりするのです。
いわゆる、ホワイトノイズのように。
そしてその方はもう一つ、倍音を減らしていくのもやって見せてくれたのです。

結果は驚くべきものでした。
上部の倍音からどんどん減っていき、とうとうほとんど基音だけになったのです。
つまりは、純音!
その音はフルートのようでもあり、オカリナのようでもあったのです。

オカリナの倍音編成はわからないのですが、もしかしたら他の楽器より倍音列が純音に近いのかもしれません。
また、そもそも「ヘルムホルツ共鳴」というものは、決まった共振周波数を持っているわけですから、それに近い構造のオカリナがその音色に近いのは当然なのかもしれません。

いずれにせよ、オカリナの音色には言いようのない魅力があります。
ソロでもアンサンブルでも、客席に染み渡ります。
不思議なのは、それほど大きな音の出る楽器ではないのに、600人程度収容の中ホールでも病院のロビーでも家の居間でも、隅々まで届くように響き渡ること。
この小さな楽器が世界中で愛されているのは、きっとその音色によるところが大きいのでしょう。

そして、オカリナを手にして最初に吹くのは?
コンドルは飛んでいく?シルクロード?時のオカリナ?トトロ?

いえいえ、キャプテンハーロック「まゆのテーマ」です。

|

« 忘れられない?みんなのうた | トップページ | 秋風の吹く »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 忘れられない?みんなのうた | トップページ | 秋風の吹く »